玉城知事、中国商務部と経済交流を確認 「一帯一路」には触れず きょう政府要人面談


この記事を書いた人 琉球新報社
通州区博物館倉庫で北京市政府関係者から説明を受ける玉城デニー知事(左端)=4日、北京市(県提供)

 日本国際貿易促進協会(国貿促、会長・河野洋平元衆院議員)の一員として訪中している玉城デニー知事は4日、経済産業相に当たる商務部の王文濤部長と面会し、中国と沖縄の経済交流のさらなる発展に向けて「共に取り組もう」と提案した。関係者によると、王部長は「中国と日本の地方都市間の交流は非常に重要だ」と玉城知事の訪中を歓迎し、玉城知事の提案に賛同した。

 中国商務部は経済と貿易を管轄する中国政府の主要行政部門。増加を続ける中国の対外投資を支える、巨大経済圏構想「一帯一路」の沿線諸国での投資額などをとりまとめている。玉城知事は2019年に国貿促の一員として訪中した際に胡春華副首相(当時)に対して「一帯一路に関する日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と要望していたが、今回の面談では一帯一路について言及しなかった。

 玉城知事は県議会6月定例会で参画の意思を問われ「非常に情報が希薄で、参画ができるのかということについては十分な情報がない」と慎重姿勢を示していた。

 王部長との面談で玉城知事は、15年に翁長雄志前知事が訪中した際に李克強氏から福建省との経済交流を活発化について賛同を得たことや16年に福建省と「経済交流促進に係る覚書」(MOU)を締結したことなどを振り返り「商務部からサポートをいただいた。これからもよろしくお願いしたい」と感謝の意を伝えた。

 王部長は自身が黒竜江省の省長を務めていた時に北海道と交流したことに触れ「沖縄が福建省と交流を深めていくことを応援していく。できることがあればサポートしたい」と交流が進むことを期待した。

 面談後、玉城知事は琉球国墓地や通州区博物館倉庫(三義廟)を訪れ、北京市政府関係者から説明を受けた。関係者によると、玉城知事は5日に中国政府要人との面談を予定している。

 (謝花史哲)