沖縄県医療福祉労働組合連合会(県医労連、穴井輝明執行委員長)は5日までに2022年実施の県内看護職員の労働実態調査をまとめ、医療・看護事故の主な原因(複数回答)として「慢性的な人手不足」を訴える声が82.9%に上ったと発表した。仕事の達成感も34.5%にとどまり、十分な看護ができない理由(複数回答)は「人手不足で業務過密」が90.0%と高い水準を示した。人手不足に伴う過重労働に苦悩する看護職員の実態が、改めて浮き彫りとなっている。
調査は5年に一度実施しており、今回は22年10~12月の期間に県医労連に加入する看護職356人から回答を得た。
ここ3年間の仕事上のミスや一歩手前となるニアミスについては、77.5%が「ある」と回答した。勤務形態別では、夜勤12時間以上の2交代制勤務が91.3%となるなど、夜勤のある職場が割合が高い傾向を示した。
健康状況については、69.6%が何らかの不安を抱えていることが分かった。慢性疲労を感じているのも73.3%と高い水準となった。
3日に県庁で開いた会見で、穴井執行委員長は「実態を明らかにすることで、看護職員が働き続けられる環境を国につくってほしい」と要望した。
会見には現役の看護師も同席し、人手が足りないために休みが取れず、質の高いケアができなくなっている厳しい現状を打ち明けた。北部の医療機関に勤める男性看護師(45)は新型コロナウイルス感染症が5類に移行しても、医療を守るために「行動制限せざるを得ない」と指摘。「自己犠牲で患者に向き合っている」と主張し、支援の必要性を訴えた。
(小波津智也)