支部で保存状況異なる 少年事件の「保護事件簿」 1990年代を保存の支部も


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那覇家裁

 少年事件に関する基本情報が記載された帳簿「少年保護事件簿」は保存期間が20年で、県内で保存されているのは基本的に2002年以降の事件簿とされる。一方、支部によって保存状況が異なることも明らかになった。

 事件簿は少年の氏名や罪名、送致時期、処分内容、記録廃棄の時期などが記載されているという。しかし01年以前の事件簿が廃棄されたことで、それ以前に発生した主な少年事件の手がかりが確認できなくなっている。

 那覇家裁によると、本庁と平良支部は02年以降分が保存されていたが、沖縄支部は1993年以降、石垣支部は01年以降分を保存している。名護支部は90年と91年分のほか、98年以降分が残っていた。那覇家裁は保存状況が異なっていることについて「調査したが、なぜ残したか分からない」と答えた。

 事件簿の廃棄で、少年事件の記録廃棄の確認に加え、事件そのものの概要の把握が難しくなった。
 (金良孝矢)