サンゴ移植許可の指示は「適法」 国地方係争処理委が沖縄県の主張退ける 辺野古新基地建設


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大浦湾のサンゴ類移植を巡る県の審査申し出について話し合う国地方係争処理委員会=14日、総務省

 【東京】名護市辺野古の新基地建設に関連して政府が進めようとする大浦湾からのサンゴ類移植を巡り、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(菊池洋一委員長)は14日、農林水産相が県に許可するよう指示(是正の指示)をしたことは違法ではないと判断した。農水相の是正指示が違法で無効だとしていた県の主張は退けられた。

 会議は冒頭を除き非公開で、終了後に菊池委員長が記者会見を開いて結果を説明した。玉城デニー知事は結果を受け「国と地方の間で係争が生じた場合に両者の間に立ち、公平・中立な立場から判断する第三者機関の役割に期待して主張してきたが、このような結果となって非常に残念だ」との声明を出した。審査結果を精査して対応を検討する考えを示した。

 県は5月に係争委へ審査を申し出ていた。係争委は申し出から90日以内に審査することが定められており、7月末までに結論を出すことになっていた。

 今回対象となっているのは、小型サンゴ類約8万4千群体、ショウガサンゴ8群体と大型サンゴ類21群体。これらが生息する大浦湾では軟弱地盤の存在で埋め立て工事の着工のめどが立っていないため、県は移植の必要性が認められないとして不許可としていた。(明真南斗)