障がい者に「更生」やめて 当事者ら沖縄県に相談所の名称変更を要請 「『悪いものを治す』考えがベースに」


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障害者更生相談所の名称変更を求める自立生活センターイルカのメンバーら=14日、那覇市泉崎の県庁

 障がい当事者が運営する沖縄県自立生活センター・イルカ(長位鈴子代表、宜野湾市)のメンバーと相談員らが、県に対して県身体障害者・知的障害者更生相談所の名称変更を求めている。イルカの早坂佳之さんらが14日、県子ども生活福祉部障害福祉課を訪ね、同課職員と情報交換した。イルカのメンバーらは、「更生」という言葉には「悪いものを治す」という考え方がベースにあり、障がい者への偏見を助長するなどとして、県に相談所の名称変更を検討するよう求めている。

 イルカのメンバーらの要望を受けて普天間みはる障害福祉課長は、「名称の変更が社会の意識に与える影響は大きいと思う。前向きに庁内で検討させていただきたい」と述べた。情報交換では障害福祉課の職員が回答を読み上げ、イルカのメンバーらの要望を確認した。普天間課長の回答に、イルカで相談員を務める早坂さんは「今後は要望書の作成と提出を検討する」とし、県との意見交換を継続する方針を示した。

 同会は6月26日に県身体・知的障害者更生相談所に「相談所の名称と内容についての質問状」を提出し、7月5日に同所から回答を得ていた。質問状では、相談所の名称を変える予定があるか、昨年9月に国連の「障害者の権利委員会」が日本政府に提出した統括所見の内容を把握しているかなど、八つの質問が設けられていた。これに対し、相談所の名称変更予定については「現時点ではありません」との回答にとどまっていた。

(西田悠)