琉球新報社 
沖縄セルラースタジアム那覇で16日に行われた第105回全国高校野球選手権記念沖縄大会の決勝戦。初回から着実に点を重ねた沖縄尚学が3―0でウェルネス沖縄を破り、2年ぶり11度目の優勝を飾った。代表校決定は全国一番乗りとなった。沖尚は一回に糸数幸輝の三塁打と玉那覇世生の一ゴロで先制すると、四回と八回にも1点ずつ加えた。投げては先発の東恩納蒼が6安打で完封し、春夏連続の甲子園出場を決めた。
2番糸数 先制呼ぶ三塁打
沖縄尚学2番の糸数幸輝が初回に放った三塁打が試合を動かした。1番知花慎之助の打撃が本来の調子ではない中、糸数は「自分が勢いを持ってくる」と打席に入った。待っていた直球を振り抜くと打球は左中間を抜ける当たりに。続く玉那覇世生の一ゴロで先制の本塁を踏んだ。
右翼手の糸数は七回の守りでも、越えれば長打となるウェルネスの打球を背走でキャッチする好プレーを見せ、攻守でチームをもり立てた。春の選抜大会後に「またみんなで帰ってこよう」と誓った沖尚ナイン。糸数も自分の役割を果たしにいく。
（砂川博範）
三塁川満 攻守で躍動
決勝の併殺3のうち、二つに絡んだ沖縄尚学の三塁手、川満渚生。マウンドの東恩納蒼が強気の投球で打ち取った当たりを野手の一人として確実にさばき、ウェルネス沖縄の攻撃の芽を摘んだ。「全員が攻める守備を意識して、取れるアウトはきちんと取っていこうとチームで話し合った」という。
攻撃では八回1死満塁の好機で犠飛を打ち、欲しかった3点目を加えた。「終盤にかけて点数が入っていない中で、最低限の仕事はできたと思う」と安堵（あんど）した。
甲子園に向け「春の選抜では悔しい負け方をした。夏は全員で勝ちにいく」と、すでに前を見据えている。
（砂川博範）
