屋比久がレスリング世界選手権内定 金城と川井の姉妹は代表逃す


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男子グレコローマン82キロ級プレーオフ 決定戦で岡嶋勇也(手前)を攻める屋比久翔平=味の素ナショナルトレーニングセンター(代表撮影)

 レスリングの非五輪階級の世界選手権(9月・ベオグラード)代表決定プレーオフは17日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで男女計10階級が行われた。男子グレコローマンスタイル82キロ級は東京五輪77キロ級銅メダルの屋比久翔平(ALSOK)が相手の負傷棄権で3―1で勝利し、世界選手権への切符を獲得した。

 東京五輪金メダリストで姉妹の金城梨紗子と川井友香子(ともにサントリー)が代表を逃した。59キロ級に出場した姉の金城は3回戦で南條早映(東新住建)に、65キロ級の川井は1回戦で尾崎野乃香(慶大)に敗れた。

 女子は南條や尾崎、72キロ級の森川美和(ALSOK)らが代表に決定。男子フリースタイル92キロ級は19歳の吉田アラシ(日大)が代表入りした。五輪階級と合わせて、世界選手権代表が出そろった。

膝負傷 乗り越えV 五輪へメダル奪取目指す

 グレコローマン82キロ級に出場した屋比久翔平が相手の負傷棄権で勝利をつかんだ。五輪の階級ではないが、世界選手権代表の内定を得た。

 膝のじん帯を負傷し、本来の力が出せない中でのプレーオフだった。第1ピリオドでパッシブ(消極的な姿勢)を取られ1点を奪われるも、それ以上は点を与えず堪え忍んだ。第2ピリオドでは序盤から積極的に当たっていき、逆にパッシブを取り返すと、グラウンドから相手をリフト技で持ち上げ、そのまま投げて逆転。ここで相手が負傷棄権したため、勝ちが決まった。

 本来の階級である77キロ級ではなく、82キロ級での世界選手権出場となる。屋比久は「複雑な気持ちだが、世界選手権ではまだメダルを取ったことがないので、しっかり取ることが目標だ。ここで勝てばオリンピックにもつながる」と前向きに捉えた。
 (砂川博範)