沖縄市上地の歓楽街でも一斉家宅捜索 県警、那覇市松山に続き今月2度目 暴力団への「ケツ持ち代」で実態把握進める


この記事を書いた人 琉球新報社
家宅捜索のため飲食店の店先で待機する県警の捜査員ら=20日、沖縄市上地

 県警組織犯罪対策課は20日、県暴力団排除条例違反の疑いを視野に、沖縄市上地の暴力団排除特別強化地域内の飲食店複数店舗で一斉家宅捜索を実施した。那覇市松山の同地域に続き今月2度目。

暴力団排除特別強化地域内の飲食店を家宅捜索する県警の捜査員ら=20日、沖縄市上地

 同条例ではキャバレーなどの特定営業者に暴力団との交際や利益供与等の禁止を定めており、県警は暴力団の資金源にもなっている「ケツ持ち代」などと言われる用心棒代やみかじめ料の授受など不当行為の実態把握を進め、暴力団根絶に向けて取り締まりを徹底するとしている。

 同日午後9時ごろから約3時間にわたり、機動隊員ら約100人の捜査員がクラブ等の店舗に立ち入り、帳簿など関係資料を押収した。盾を持った機動隊員らが立つ捜索現場を眺めていた男性は「こんなにたくさんの警察官が突然、やって来て驚いた。町の印象が悪くなって、客が離れないか心配だ」と眉間にしわを寄せた。

 同条例では、那覇市松山と沖縄市上地の一部地域を暴力団排除特別強化地域と定め、風営法に携わる店舗の営業者は暴力団員を接客や用心棒に従事させること、利益供与を禁止している。関係者によると、営業者の中には暴力団員らに用心棒代を支払い、見返りにトラブル対処等を依頼するなど相互関係が疑われる店舗もあるという。

キャバクラなどが入ったビルの前に立つ機動隊員ら=20日、沖縄市上地