米軍パラシュート訓練、終了直前に急きょ延長 兵士14人、物資5個が降下 沖縄・うるま市津堅島水域


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
航空情報(ノータム)で通告時間の延長後、米軍のHC130J特殊作戦機から投下された物資=20日午後2時6分、うるま市

 【うるま】うるま市の津堅島訓練場水域で20日、米軍がパラシュート降下訓練を実施した。訓練は同日午前10時から午後2時まで米連邦航空局の航空情報(ノータム)で通知されていたが、予定時間が終わる直前に情報が更新され、21日午後11時まで時間が延長された。米軍は午後2時以降も訓練を実施した。

 沖縄防衛局によると、訓練は日米合同委員会合意に基づき7日前までに米軍から通知がある。今回の訓練も18~21日の日程で演習を行う通知が事前にあった。時間帯の詳細は示されないという。

 航空評論家の青木謙知氏は航空情報の急な延長について「あまり聞いたことはないが、あってもおかしくない。訓練が予定通り達成できない時など米軍側の事情で航空情報が変わった可能性がある」と推測した。

 訓練で午前11時20分から通知があった午後2時まで、5回に分けて兵士計14人と物資計4個がHC130J特殊作戦機から降下した。

 予定が延長されてからは、午後2時6分ごろに物資1個が投下された。その後、午後8時ごろまで降下訓練は確認されなかった。

 与那城町漁業協同組合の玉榮將幸組合長は訓練の延長に「いつも訓練の時間帯は船を出すのを避けている。その時間が急に延びることは残念だ」と憤った。
 (古川峻)


<用語>ノータム

 航空機の安全運航のために関係機関が出している飛行場・運航業務・軍事演習などの航空情報。米連邦航空局のホームページに軍事演習の時間帯など詳細が公表されている。米軍が沖縄防衛局に通告する演習通報とは異なり、一般に公開されている。