重機への給油、必要な時に 貯蔵と一体の移動式タンク 沖縄初導入


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
給油と貯蔵が可能な「マツノタンク」からフォークリフトに給油する沖縄産機の職員ら=21日、宜野湾市

 【宜野湾】重機を扱う事業者用に開発された、貯蔵と給油が可能な給油一体型燃料貯蔵タンク「マツノタンク」(貯蔵量990リットル)が21日、宜野湾市でフォークリフトのレンタルなどを手掛ける沖縄産機(運天達男社長)の敷地内に設置された。土木工事などは不要な移動可能なポータブルタンクで、「少量危険物貯蔵取扱所」と認められた設備。導入は県内で初めて。

 琉球鉱業(恩納村)が購入し、燃料を卸している沖縄産機に設置した。琉球鉱業の新里竜也常務によると、県内ではタンクローリーが巡回して重機などに給油をしているが、事業者側が必要とする量やタイミングと一致しないことがあり、課題となっている。

 必要な燃油を確保するため、県内では消防法に違反する形で燃料をドラム缶などに貯蔵する事業所も散見されるが、ポータブルタンクが普及すれば、安全に燃料を貯蔵することができるという。

 マツノタンクは広島県のマツノ技研(松野拓也社長)が製造し、県外では鉄道会社や港湾など約200カ所で使用されているという。今回設置されたタンクは、宜野湾市消防が貯蔵と給油の取扱届け出を受理しており、21日の現場調査でも問題がないことが確認された。

 マツノタンクは設置したタンクに燃料を貯蔵しておけば、事業者側で直接、重機に給油することができる。さらに、貯蔵量は遠隔で確認できるため、必要な分量を燃料販売業者や事業者で把握することも可能だという。

 新里常務は「タイミングが合わないことが、事業者も、燃料の販売業者も悩みの種だった。マツノタンクの導入で、効率よく燃料を供給することができる」と語った。

 マツノタンクのはSUN土木(浦添市、高良佑平代表)が県内の代理店。高良代表によると、消防の許可をとれば工事現場などでも設置は可能で、販売のほかリースでも展開していく考え。
 (池田哲平)