<ひと>連合沖縄の会長に就任した仲宗根哲さん 社会的に困難な立場の人たちも支えたい


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連合沖縄の会長に就任した仲宗根哲さん

 明るい笑みに温厚な人柄がにじむ。だが交渉の場では一転、労働者の権利を守るために雇用者と鋭く対峙(たいじ)し、声を荒らげることもある。22日、連合沖縄の会長に就任した。「物価の高騰に賃金上昇が追いついていない。生活できる賃金をどうにか確保していきたい。子どもの貧困など、社会的に困難な立場の人たちもしっかり支えていきたい」と意欲を燃やす。

 コザ高校でラグビーに打ち込んだ。卒業後も社会人でラグビーを続けようと民間病院に就職し、リハビリの補助などをして働きながら5年間勉強して看護師の資格を取り、県立病院の看護師として採用された。

 労働運動との出合いは「熱心だった職場の先輩に引っ張られる形」だった。財政難から、県立病院の独立行政法人化が持ち上がると「医療の担い手が足りなくなり、地域医療が崩壊する」と強い危機感を持ち、離島を含めた各地でシンポジウムを開くなど反対運動を盛り上げた。議員を対象とした学習会の開催や街宣行動などで必要性を訴え続けた。

 趣味は落語。出張の際に、機内放送で出合って以来、CDなどで創作落語を中心に楽しんでいる。あいさつのネタを探すという意味もあるが「通勤中のバスで落語を聞いて、思わず一人で笑っちゃった」と癒やし効果も。

 連合沖縄のトップという大役に重責も感じるが、チームワークを大切にして難題に立ち向かう。「まずは構成組織と考え方をしっかりすり合わせていきたい」と抱負を語った。沖縄市出身、59歳。