やちむんでこだわりコーヒー 可否館(南風原町) <うちなー味まーい>82


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ランチメニューのホットサンドセット。カボチャサンドは優しい甘さで香ばしいパンと合う=南風原町新川の可否館

1977年に那覇市久茂地でオープンし、2001年に現在の南風原町新川に移転した「可否館(コーヒーかん)」は「いい器でいいコーヒーを」を体現する。切り盛りする館長の久高浩路さん(40)は22年8月に父・昇さん(72)から店を引き継いだ2代目店主だ。

昇さんの姉が国際通りの老舗民芸店「久高民藝店」を経営する。その影響もあり、店内のグラスや皿、テーブルなどの家具、のれんや壁の装飾品までこだわり抜いた工芸品。コーヒーカップはやちむんだ。開店当初のものを現在も引き継ぐ。浩路さんは「引退した作り手の作品もある。大切に使えば半世紀も保つことを知ってほしい」と話す。

自家焙煎(ばいせん)の豆で入れたコーヒーもこだわりの一つだ。長年追求してきた焙煎は、今でも昇さんが担当する。丁寧に入れられたコーヒーは苦みの中に深いコクがある。ランチはホットサンドセットのみ。カボチャ、チーズ、ツナ、タマゴの4種類のサンドにゆし豆腐、サラダ、甘味(デザート)、季節の果物、コーヒーまたはティーが付く。1400円。

浩路さんは館長になり、店の民芸や庭の植物などをSNSで発信するようになった。それを見て「久茂地の店に通っていた」と懐かしそうに来店する客もいる。「父が築き上げた店の空間と味を大切に、しっかり引き継いでいきたい。根強いファンもいる。そこに自分の色を加えることができたら」と語った。

火曜が定休日、営業時間は午前11時~午後5時。南風原町新川48の7、電話098(882)7856。

(岩崎みどり)

2代目館長の久高浩路さん。父・昇さんの味と空間を引き継いでいく

※諸事情により、掲載情報の内容が変更になる可能性があります。