【うるま】伊計島ハーリー実行委員会(玉城正則実行委員長・自治会長)は9日、うるま市与那城伊計のイツクマの浜で4年ぶりとなる「伊計島ハーリー大会」を開催した。初めて区の予算で新造したサバニの「進水式」も開いた。天気にも恵まれ、開催を待ちわびた参加者や見学者で大いににぎわった。
ハーリーは海の神様へ豊漁と航海安全を祈願する祭りで、伊計島では自然の砂浜からこぎ出して競争する昔ながらの形を守り残している。これまでは篤志家から寄贈されたサバニを利用していた。近年は伊計島にあるN高校の学生体験用として貸し出しており、活用の機会が多くなっていた。糸満市の専門業者に本格的なサバニを発注し、区の予算で初めて新造した。
白い砂浜とエメラルドグリーンの海ではオープニングで水上バイクと帆掛けサバニで来場者を歓迎した。レースの決勝前には子どもたちが楽しみにしている恒例の「果物つかみ取り競争」が行われ、海に投げ込まれた果物や黄金芋、袋入りモズクを両手でいっぱいに抱えた子どもたちの歓声と家族の笑顔が見られた。玉城実行委員長は「伊計のハーリーは自然の砂浜で開催するため、子どもたちも砂浜での遊びや果物つかみ取り競争へ参加できる」と語る。
これまでは漁民が所有するサバニを借用したり、近年は篤志家が寄贈したりしていたというが「初めて自前の伝統的で本格的なサバニが新造できた。皆さんへお披露目しながらハーリーが開催できて良かった」と喜んだ。
(高原景一通信員)