沖縄の生物多様性をアプリで見える化 環境教育の推進で県内2社が連携 沖縄セルラー電話とシンク・ネイチャー


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連携協定の締結とアプリ「ジュゴンズアイ」のリリースを発表する沖縄セルラーの菅隆志社長(左)とシンク・ネイチャーの久保田康裕取締役(中央)、舛田陽介社長=25日、那覇市の沖縄セルラー電話本社

 沖縄セルラー電話(那覇市、菅隆志社長)は25日、沖縄の豊かな自然を守るため、生物多様性・生態系サービスなどの事業を主に手掛ける琉球大学のスタートアップ企業、シンク・ネイチャー(舛田陽介社長)と連携協定を締結したことを発表した。同日、シンク・ネイチャーが開発した生物多様性可視化アプリ「ジュゴンズアイ」を公開した。両社はアプリを活用し、沖縄の子どもたちや県外からの修学旅行生らへの生物多様性に関する教育普及事業などを推進する。

 自然や生物多様性の損失に歯止めをかけ、環境にとってプラスになるような社会をつくる「ネイチャー・ポジティブ」の実現に向け、共創コミュニティやプロモーション活動などの事業に共同で取り組む。

シンク・ネイチャーが開発したアプリ「ジュゴンズアイ」の画面

 ジュゴンズアイは、生物多様性ビッグデータとAI技術を活用したアプリ。スポットごとに生息する生物の一覧表が見られる観察モードや音声ガイドが流れるドライブモードなども備える。沖縄セルラー電話の通信技術を掛け合わせた取り組みも今後検討する。

 管社長は「沖縄の資産である自然を守り、次の世代へとつなげていくことは県内企業として重要な責務だ。取り組みを通して生物多様性への理解を広げたい」と述べた。

 シンク・ネイチャーの久保田康裕代表取締役も「沖縄は希少な固有種も多く生息する地域で、生物多様性ホットスポットとして世界的に注目されている。豊かな自然を保全再生し、人と自然が共生する社会を目指すべきだ」と強調した。

 アプリはスマートフォンでダウンロードできる。19日にベータ版がリリースされた。身近な生物の情報を共有できるシステムや生物の詳細な情報が記載されたページの追加など随時更新され、無料で利用できる。
 (普天間伊織)