アルゼンチンで「空手の日」制定 沖縄県と同じ10月25日 伝統空手の文化的価値を認定


この記事を書いた人 琉球新報社
アルゼンチンへの沖縄県人移民100周年を記念したパレードで披露された空手の演舞。県系人子弟だけでなくアルゼンチン人も多く出演した=2008年8月30日、ブエノスアイレス市の五月大通り
アルゼンチン政府の空手の日制定を報告する沖縄空手古武道アルゼンチン協会のルイス・レモス前会長(中央)と沖縄空手道小林流大信館協会の大城信子会長(右)、同協会の銘苅徳人事務局長

 アルゼンチン国会はこのほど、沖縄の空手道を伝統文化として尊重し、沖縄県と同じく10月25日を空手の日とすることを認定した。昨年まで沖縄空手古武道アルゼンチン協会会長を務めていたルイス・レモスさん(57)=アルゼンチン在住=の働きかけで実現した。今年の空手の日には現地で、流派を超えた演武イベントを予定している。

 ブエノスアイレスで空手道小林流大信館力道場協会の館長を務めるルイスさんは、2005年の空手の日に来県して感銘を受け、アルゼンチンでもこのような取り組みを実現したいと考えた。沖縄空手古武道アルゼンチン協会の会長として5年にわたり国会に働きかけた結果、22年12月19日に沖縄空手道の文化的価値と空手の日制定が認定された。

 ルイスさんは7月25日、アルゼンチン国会の上下院議長の署名入りの書面を持参して那覇市の琉球新報社を訪れ、認定を報告した。「大変うれしい。伝統空手の魅力を継承し、世界に発信していきたい」と喜びを語った。沖縄空手道少林寺大信館協会の大城信子会長は「沖縄空手を世界遺産にという動きがある中で認められ、こんなうれしいことはない」と話した。
 (與那覇裕子)