釣って、さばいて、海学ぶ 小5生27人が体験学習 グルクン、ビタロー、アカジンも 沖縄・国頭


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 【国頭】国頭村の豊かな海の自然と地域の水産業の体験学習を通して、地域の自然とそこに住む人々の生活について理解を深めることを狙いに、国頭村教育委員会主催によるグルクン釣り・魚さばき体験学習が14日、村内4小学校5年生27人を対象に開かれた。森と川、川と海、海と森の自然のつながりについて考え、地域の自然と自己の生き方についての態度を培う。体験には国頭漁業協同組合(村田佳久組合長)が協力、組合職員や地元海人(うみんちゅ)がガイドを務めた。

釣り体験でグルクンを釣り上げ笑顔を見せる参加児童=14日、国頭村西海岸沖

 村西海岸沖でグルクン釣りをし、釣った魚を同組合施設のセリ場でさばいた。児童らは、自分たちの身近な海で取れる県産魚などについて、地元の大人から直接学べる絶好の機会となった。

 児童らは、午前8時半に漁船4隻に分かれて出港した。地元海人所有の「星花丸」には6人の児童らと教諭2人が乗船、国頭漁協青壮年部会2人も同乗し、釣りの仕掛け、餌入れ、糸の垂らし方、しゃくり、船上でのマナーなどの指導を受けた。この日は、青空が広がる絶好の釣り日和で、釣りポイントに着くと開始早々グルクンが釣れ出した。

 初めて経験する児童もおり、釣れた魚におそるおそる触れる子も。目を輝かせながら竿(さお)の先のしなり、釣れた竿の感触を確かめながら懸命に巻き上げ、笑顔を見せる姿が度々見られた。釣果は、各漁船とも児童らを大満足させる結果となった。グルクン、ビタロー、カワハギ、カタカシ、ムチグワーなど多種多様な魚が釣れ、釣れたグルクンを泳がせ釣りで4.65キロのアカジンを釣った漁船もあった。

釣った魚をさばく参加児童ら=14日、国頭漁協施設セリ場

 帰港後は「釣った魚を自分でさばいて食べる」を実践。うろこを取り、下処理などの指導を受けながら学んだ。さばいた魚は、全て真空パックにして、それぞれ持ち帰った。児童からは「船で釣りをしたのは初めてで、とても楽しかった。釣れた魚を家に持ち帰りおいしくいただくのも楽しみです。ありがとうございます」と、振り返りとお礼のあいさつがあった。

 国頭漁協職員の枝川博也さんは「地元の海人が釣ってきた魚が、こうしてさばかれてスーパーなどに並ぶことを学んだと思う。いつか、このように多くの人々が漁業に携わること、今日の経験を忘れずに今後に生かしてください」とあいさつした。

(新城高仁通信員)