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自衛隊の那覇基地セクハラ訴訟 「同じ経験させたくない」原告と弁護団が国会内で報告集会 傍聴も呼びかけ


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那覇基地でのセクハラについて自衛隊の対応が被害を助長したことを批判する弁護団=1日、国会内

 【東京】現役航空自衛官が那覇基地でセクハラ被害を受けて国が適切に対応しなかったとして起こしている訴訟に関し、原告の自衛官と弁護団は国会内で報告集会を開いた。原告の自衛官は「自衛隊の後輩たちや他の組織の弱者に同じような経験をさせたくない。多くの若者を救うためにも、ぜひ多くの人に傍聴に来てほしい」と訴えた。

 この日、訴訟の第2回期日として主張の整理などをする進行協議があったが非公開だった。その後に報告集会が開かれた。原告の現役自衛官は自身の体験などから「当時きちんと処理されていれば、その後の被害も防げたのではないか」と語った。

 弁護団からはこの件に関する防衛省・自衛隊の対応は「不作為のみならず、原告に対するさまざまな攻撃、加害の隠蔽(いんぺい)も一貫して行われてきた」などとひどさを強調する発言が上がった。

 原告自衛官はセクハラ被害を受けた当時から約10年、上司や相談窓口に救済を求めてきたが、適切に対応されなかったとして国に賠償を求めている。組織的に、自衛隊加害隊員と訴訟になった際に加害隊員側を支援したり、裁判で必要な資料を提出したことで原告の隊員を懲戒処分にしたりした。
 (明真南斗)