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朝夕のラッシュ時、時速24キロ走行 沖縄は全国ワースト6位 過度の車社会、レンタカー増も一因に


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 沖縄県内の一般道路における朝夕ラッシュ時の旅行速度(一定区間の通過にかかる平均速度)は、時速24.8キロで、都道府県別では全国ワースト6位だったことが1日までに、国土交通省が5年に1回実施する「2021年度全国道路・街路交通情勢調査」で分かった。全国平均は時速30.8キロで、県内の通勤や通学時間帯の渋滞は全国でも深刻な状況にある。

 同調査では、道路状況や交通量、混雑時(午前7~9時、午後5~7時)と非混雑時(午前9~午後5時)の旅行速度などを調べた。今回調査に含まれていないが、那覇市では14年度に混雑時の旅行速度が時速15.9キロとなり全国ワーストを記録していたため、県内でも特に那覇市の渋滞は深刻だとみられる。

 県内の自動車保有台数は日本に復帰した1972年度の19万8000台と比べ、2020年度末は5.6倍の110万9000台となった。

 交通渋滞が深刻化している原因について、県土木建築部道路街路課の担当者は、県民が過度に自動車交通に依存していることや、本土のように鉄道が整備されておらず、公共交通が脆弱であるためだと説明する。また、観光客の来県に伴うレンタカーの増加も渋滞の一因であるとした。

 深刻な渋滞が問題になっている沖縄だが、人口・自動車台数あたりの道路延長は全国と比べて5~6割程度と低い。県は国と連携しながら国道58号と沖縄自動車道、国道329号を東西連絡道路でつなぐハシゴ道路の整備を進めている。那覇から名護間を1時間程度で結ぶ鉄軌道の整備を国へ要望している。
 (梅田正覚、與那原采恵)