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待望の精米所が稼働間近 恩納村安富祖区が整備、地元産の米を県内へ 品質向上に期待


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安富祖区に新たに導入された精米機械=7月19日、恩納村安富祖

 【恩納】沖縄県恩納村安富祖区にこのほど、待望の精米所が完成した。台風6号の影響で遅れが生じているものの、8月中には稼働を始める予定。安富祖区ではこれまで村外の精米所を利用する必要があった。今後は安富祖区で栽培される米の品質向上などが期待される。

 安富祖区ではこれまでに地域に残したいもののアンケートを実施したところ、米や田園風景を残したいという意見が多かった。そこで米を守るとともに収益を上げ、安富祖の米を県内に広めていこうと精米所の設置が決まった。

 精米所には2台の機械が設置され、収穫した米1トンを2時間で精米できる。今年度の二期作米の精米は地域の農家を中心に対応するが、来年度以降の一期米からは地域外の受け入れも検討している。

 安富祖区ではこれまで金武町や名護市などにある精米所を利用する必要があり、往復の時間や労力が課題となっていた。さらに一部の精米所では利用が集中し、精米の順番を1~2日ほど待つ間に米の品質が落ちてしまうなどの問題もあった。

 機械の設置にかかった費用は780万円で、地元と村がおよそ半額ずつ負担した。場所の提供や機械の設置には田仲建設(恩納村、田仲康仁代表)が協力したほか、同社の資材置き場だった建屋の整備には地元の農家も協力した。

 安富祖区の松崎正也区長は「安富祖は昔から米どころで、田園風景を守っていきたい。米の品質を上げて県内全域に安富祖の米を広めていきたい」と意気込んだ。

(武井悠)