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月桃の花/金城正子<琉球詩壇・8月5日>


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香

月桃の花

金城正子(嘉手納町)


 

月桃の花・白い花
スベスベと艶があり 初初しい少女の肌のように うす紅色の縁どり 生れたての赤ちゃんような神秘的な花房が愛しい うりずんの雨の中頭(こうべ)を下げて祈っているような姿 わたしは「月桃」あなたが好き やさしい香りがだい好き 母の匂いがする いつまでも抱いていたい 月桃は心の花 命の花 わたしはあなたが好き いつまでも傍(そば)にいたい やさしい香りでわたしを包んでくれる 月桃は愛しい花 こころの花 命の花 永遠に咲く わたしは あなたを愛してる 光る玉露は涙のしずく わたしは あなたを愛してる
わたしは あなたをいつまでも忘れない
永遠(とわ)に咲く月桃の花 こころの花


西原裕美・選

寸評

まっすぐな言葉が真摯に紡がれると、詩になりうるのだと感じさせられる。母の匂いと月桃が重なり美しい。