prime

拡がる共感、繋がる循環 宇田悦子・フードリボン代表取締役社長 <仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2040年には日本の燃えるごみによる灰の最終埋立地が満杯になるそうです。50年には、世界の海には魚よりもプラスチックごみの方が多くなると言われています。ごみ総量を減らすことや、役目を終えたモノをごみではなく資源として循環させていくことに対し、一社でできることは限られています。

 創業してから、シークワーサーの製品、パイナップル葉繊維と、その残渣(ざんさ)を活用したバイオプラスチックなどをきっかけにして、弊社の想いを伝え、共鳴いただけたご縁が一つずつ繋(つな)がり、2021年に「天然繊維循環国際協会」を立ち上げることができました。

 天然繊維にフォーカスし、ファッション業界、大学・研究機関、政府機関の方たちと共にアパレルの廃棄を減らす取り組みが始まっています。

 子供たちに向けた衣服から考えるSDGsの出前授業を沖縄、香川、京都、東京で実施し、不要な衣服と麻袋によるプランター作りの授業を通し、気づきや未来を考えるきっかけにしてもらい、一つの物を大事に長く使うという意識に繋がることを期待しています。

 地域循環の実証実験モデル「駒沢MOAI FARM」では東急電鉄さん、ドトールコーヒーさん、IMAXさんと連携して、誰もが参加できる地域循環コミュニティーをテーマに、実体験を通じて交流が生まれています。これからも、共感の輪を拡(ひろ)げ、協力者と繋がり、循環の仕組みをさまざまな場面で作ることで、捨てる物がない社会の実現を目指していきます。