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なぎなた演技で初優勝の泉水と平安名、基本に忠実 決勝で首里同士が対決 全国高校総体


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【北海道総体取材班】全国高校総合体育大会・北海道総体第15日は6日、各地で競技が行われた。なぎなた演技決勝は県勢同士の対決となり、泉水ほのか・平安名はな(首里)が4―1で栄野川美羽・城間こころ(同)を下し優勝した。テニス女子ダブルス準決勝は水口由貴・新城英万(沖縄尚学)が野田学園(山口)のペアを8―4で破り、7日の決勝へ進んだ。カヌーのカナディアンペア200メートル決勝は山城瑞希・上原志颯(沖縄水産)が6位に輝いた。相撲の個人決勝トーナメントは伊良部誠士(中部農林3年)が1回戦で東京代表に敗れた。自転車個人ロードレースの畑祐太郎(首里東3年)、大城朝海(北中城3年)はいずれも途中棄権。陸上は全種目で予選敗退だった。

栄野川・城間、準Vに悔し涙

息の合った演技を見せる首里の城間こころ(左)と栄野川美羽=6日、千歳市開基記念総合武道館(大城直也撮影)

 決勝のコートを降りた栄野川美羽・城間こころ(首里)は相手の泉水ほのか・平安名はな(同)と健闘をたたえ合いながらも、思わず涙した。準優勝の結果に城間は「悔しい気持ちも大きいけど、結果も残せて、負けた相手が首里だったのは良かった」と率直な胸の内を明かした。

 予選リーグ初戦から「緊張がすごく、練習でできていたことができなかった」(栄野川)。中段の構えで切っ先が合わず、打突でも音が大きく響きすぎるなど、演技に精彩を欠いた。初戦で相手に旗1本を与えたが、それ以降は徐々に調子も呼吸も合っていき、決勝まで1本も上げさせなかった。

 決勝の相手は、普段から一緒に練習する泉水・平安名組。同じコートに立ち、先に相手に動かれたが、栄野川と城間は2人の演技に集中した。打突がわずかに浮き、切り返しがスムーズにいかなかった。それでも栄野川は「決勝が2人でベストの演技ができた」と振り返った。

 2人での演技は今回が最後となる。3年生の城間は「美羽は来年も出られるので、今回の結果よりも上の結果を残してほしい」と期待を込める。2年生の栄野川は「3年生では絶対に優勝する」。悔しさを残しながらも最後は笑顔で終え、2人は別々の次のステージに進む。
 (屋嘉部長将)

選手の成長、助言で後押し 栄野川監督 同校対決「信じていた」

競技2日目終了後、リラックスした表情で選手たちと言葉を交わす首里の栄野川里美監督

 首里の2チームが優勝を争った演技。栄野川里美監督は両チームの試合がかぶらない限り、コートを移動しながら選手に声をかけ続け、調子や気持ちを上げていった。「2チームとも決勝に来てくれると信じていました」と目を細めた。

 高校1年から組んでいる泉水ほのか・平安名はなは落ち着いた基本に忠実な演技、4月から組み始めた栄野川美羽・城間こころは元気がありはつらつとした演技と、異なる特徴を持っていた。完成度の高い泉水・平安名組が、急成長する栄野川・城間組の様子を見て調子を崩すときもあったが、声をかけ続け、お互いが成長する環境づくりに努めた。

 今大会の演技の合間にも泉水・平安名組にはメンタル的な助言、栄野川・城間組には技術的な助言を使い分け、選手の調子を上げていき、互いに決勝で最高の演技をできるようにした。「監督としては両方優勝にしてほしいくらいです」と健闘をたたえる。

 7日にはチームとして連覇を狙っている団体試合も控える。

 「演技での優勝はいったん忘れて、団体に集中していきたい」と勝ってかぶとの緒を締めて、監督として大一番に挑む。
 (屋嘉部長将)