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多様性認める心、児童らに読み聞かせで伝える 新垣光枝さん自身の絵本を紙芝居に 沖縄、渡嘉敷


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絵本を紙芝居風に仕上げて読み聞かせを行った新垣光枝さん(後列右から3人目)と阿波連小学校の児童ら=7月11日、阿波連小学校教室(新垣光枝さん提供)

 【渡嘉敷】渡嘉敷村の新垣光枝さん(75)は、このほど発刊した絵本「やねにあがったまぎら」(文・新垣光枝、絵・KAN)を絵本と同サイズの紙芝居風に仕上げ、7月11日に阿波連小学校で読み聞かせした。児童や教職員から好評だった。

 新垣さんは村内の学校の地域人材活用の一環で、日ごろから読み聞かせのボランティアを実施しており、今回は、阿波連小学校(西表りか校長)から同絵本の読み聞かせの依頼を受けたことを機に、子どもたちが分かりやすいように紙芝居風にしたという。新垣さんは、絵本ではシーサーのまぎらわしい格好も個性として多様性を認める心や幸せになる権利、気持ちを理解し合える友情などの内容となっている。「私が絵本で伝えたいことの意図を子どもたちや教員らが理解し、喜んでくれて良かった」と目を細めた。

 児童らは以下のように感想を寄せた。「シーサーのまぎらはバカにされていたが、いつのまにかみんなから大事にされて良かった」(川島航介さん、小2)、「まぎらってなんだろうと思っていたけど、シーサーだと分かった。ほんとの話か、つくり話かわからないところがおもしろかった」(白須賀ひかりさん、小5)、「まぎらは、カラスやコウモリにからかわれていたけど、気にせずに屋根に上がってみんなの守り神になった。また、そのシーサーはいるのかなと思った」(玉城すみれさん、小4)、「シーサーは私たちの守り神だけど、昔はもしかして一人ぼっちだったことが分かった」(富濱さらさん、小5)。
 (米田英明通信員)