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反撃能力配備に反対要請へ 軍転協が総会で決定 土地規制「最小限」も要望


この記事を書いた人 琉球新報社
県軍用地転用促進・基地問題協議会通常総会のオンライン会議に臨む県関係者ら=7日、県庁

 県と防衛施設所在27市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協、会長・玉城デニー知事)は7日、オンラインで総会を開き、9月1日予定の国への要請内容を協議した。政府が2022年末に閣議決定した安全保障関連3文書で保有を決めた敵基地攻撃能力(反撃能力)を有するミサイルについて、県内に配備しないよう求める項目を初めて盛り込むことを決めた。

 要請文案には他に、防衛施設や国境離島など政府が安全保障上重要とする土地の利用状況を調査、規制する土地利用規制法について新たに盛り込み、県内の規制区域を「真に最小限度のものとすること」を求めた。同法に基づく調査で、利用者の思想・信条に関する情報など、土地利用に関係のない情報などを収集しないことも訴えた。

 オスプレイの配備問題については、22年6月に米カリフォルニア州で発生した墜落事故の報告書でクラッチの不具合が原因とされたことなどに触れ、改めて配備計画の見直しを求めた。

 嘉手納基地関連では、F15戦闘機の退役に伴う巡回配備で騒音が激しくなり「周辺住民の基地負担はさらに増大している」と問題視。住民居住地に隣接するパパループ地区でこれまで使用が見られなかったUH1、AH1などのヘリコプターが運用される事例が見られ「使用が常態化しないか懸念される」として負担軽減を求めた。

 一方、22年度要請で盛り込んだ防錆(ぼうせい)整備格納庫移設計画の即時撤回を求める項目は、當山宏嘉手納町長が計画見直しを求めない方針に転換したことを踏まえ、今後文言を調整する方針を示した。

 伊江島補助飛行場周辺の伊江村西崎、真謝で22年度の騒音回数が1万652回と、17年度から倍増しており、適切な騒音対策の実施を求めた。

 米軍関係者の飲酒運転など道路交通法違反が23年は57件となり、直近5年間で最多だとして、実効性ある対策を求めた。

 役員改選では桑江朝千夫沖縄市長に代わり、松本哲治浦添市長が副会長に就いた。
 (知念征尚)