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気候変動、できること重ねて<伊是名夏子100センチの視界から>154


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今年の夏も暑いですね。朝9時に干したシーツが15分で乾き、外はまるで乾燥機のようです。夜に寝ていると熱中症気味になり、気分が悪くなって目覚めたので、エアコンの部屋で寝ることにしました。しかし心が痛いです。こんなに暑かったり、大雨が続いたり異常気象になったりするのは地球温暖化が原因で、二酸化炭素(CO2)排出を減らす生活をしないからです。ニュースでは連日、猛暑記録が流れてきますが、地球温暖化を防ぐために、できることももっと知りたいです。

 日本のペットボトルリサイクル方法は、燃やして発生した熱を使う熱回収が6割で、CO2を排出するため環境にいいとは言えません。こんなに暑いので、ついつい飲み物を買ってしまいますが、水筒を持ち歩いたり、日中の外出を控えたりすることも、できるかもしれません。

 物は石油や電気などのいろいろなエネルギーを使って作られているので、物を買うことそのものが環境負荷にもつながります。物を買わない、今ある物を工夫して使い続ける、新しく買う時はリサイクルを検討してみるのはどうでしょう。ネット購入も、段ボール包装や運ぶエネルギーを考慮すると、少し控えたいです。牛や豚や鳥などを飼育するのも多くのエネルギーがかかるので、たとえば週に一回はお肉を食べない日をつくるのも、CO2削減につながります。

 私たちが銀行に預けているお金が、環境破壊につながることに使われることもあるので、環境に優しい銀行を選ぶこともできます。「クールバンク 350」で検索してみてください。

 私たちがプラスチック容器を使わないようにするだけでなく、それを販売する事業者への対策も必要だと感じます。ヨーロッパでは、再利用できないプラスチックを使う事業者はペナルティーの税金を払わないといけない制度もあります。野菜をはじめほとんどの物がプラスチック包装で覆われていますが、それがない商品、たとえば量り売りも増えるといいなと思います。

 災害やコロナなどの非常事態では、真っ先に影響を受け、生きづらくなるのは、子どもや高齢者、障害者、経済的に余裕がない人などです。国や世界全体として、CO2を出さない、ごみを出さない、自然の生態系を大切にしないと、苦しむ人がどんどん増えるでしょう。考えすぎるとつらくなりますが、まずはできることを一つずつ重ねていきませんか。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。