「宿泊税」の導入、県内ホテルはどう考える? 県ホテル協会が会員アンケートの結果を発表


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「観光振興を目的とする新税の導入」に関するアンケート調査を発表する県ホテル協会の平良朝敬会長(中央)、坂本公敏副会長(右)、嘉手苅孝夫事務総長(左)=7日、那覇市の沖縄かりゆしリゾートエグゼス那覇

 県ホテル協会は7日、「観光振興を目的とする新税の導入」に関するアンケート調査を発表し、宿泊税の導入に6施設(30%)が賛成、7施設(35%)が反対で賛否が拮抗する結果となった。会員からは「コロナ禍からの回復がまだない中での導入は時期尚早だ」という声が上がった一方、「海外他地域との競争に勝つための財源が必要だ」と前向きな意見も出た。平良朝敬会長は「宿泊税を導入するなら、使途を明確化してほしい」と県に求めた。

 宿泊税や入島税を含む観光振興のための新税の導入は賛成と反対がほぼ同数だった。賛成意見には「観光税を支払うことで、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)の意識が高まる」などが上がった。一方、増税による景気の遅れを懸念する声や、宿泊施設のみの課税は不平等だとして「入島税を導入する方が妥当だ」という反対意見もあった。

 県が2026年度の導入を掲げることに対し、賛成が2施設(10%)、反対が5施設(25%)、どちらでもないが12施設(60%)となり、態度を決めかねている施設が多数を占めた。明確な使用目的や徴収方法、金額、費用分担などの決定後、行政と観光業界が双方で合意するタイミングでの導入を望む声もあった。

 県が示す税率の現行案では、1人1泊2万円未満は200円、2万円以上で500円を徴収するとしている。1人1泊5千円未満と、免除修学旅行生とその引率者は課税が免除される。

 この税率については賛成が5施設(25%)、反対が9施設(45%)、どちらでもないが5施設(25%)となった。

 宿泊単価は変動することから、5千円以下の免除には「日によって税金を取る日と取らない日が発生し複雑になる」という指摘があった。法定外目的税として入島者から一律100円を徴収する伊是名村、伊平屋村、渡嘉敷村、座間味村や宿泊税を検討する市町村などとの調整が必要だとの声もあった。

 6月26日~7月31日の間に、県ホテル協会の75の正会員に呼びかけ、20施設から回答を得た。20施設は、県内宿泊施設の約31%に当たる1万3650室を保有する。
 (與那覇智早)