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沖縄の人気ブログサービス創業者がベトナムでカカオやチョコの生産を支援 現地農家へ収益還元めざし奮闘 沖縄・豊見城


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契約農家でカカオの木を囲む(左から)農家のグエン・ヴァン・タインさん、OCA OKINAWAのグエン・ティ・ツーさん、野澤浩樹代表=ベトナム

 【豊見城】豊見城市内に店舗を構える「OCA OKINAWA」(オカ・オキナワ、野澤浩樹代表)は、ベトナムのバリア・ブンタウ省産のカカオやチョコレートの生産販売を手がける。カカオの商品価値を高め、国内外への販路を広げることで、同地域の新たな産業を発展させようと奮闘している。野澤代表は「赤道に近い限られた地域でしかカカオが採れないからこそ、カカオ生産には価値がある。農家にもっと(収益として)還元されるべきだ」との信念を貫く。

 沖縄県の地域特化型ブログサービス「てぃーだブログ」を運営するシーポイントの創業者でもある野澤代表は、バリア・ブンタウのカカオについて「風味や香りがすごく豊か」と説明。「農業のIT化と機械化も進めて、地元出身のエンジニアが活躍できる場をつくりたい」と意気込む。カカオ栽培ではすでに日本、北米、欧州の国際オーガニック認証を取得している。カカオのみならず、他の作物にも展開していく考えだ。

 契約農家のグエン・ヴァン・タインさん(47)は「この3年間は有機肥料しか使っていない。結果として収穫量も上がって安定していった」と話し、地元への還元にもつながっている。

 また、農場を視察に訪れていたチャウドック地区人民委員会(日本の市行政に相当)のグエン・タン・バン委員長は「農家さんが安心して栽培を続けられるように、苗木を無償化するなどの対策を講じていきたい。バリア・ブンタウの作物を世界に広げていきたい」と意欲を見せている。
 (長濱良起通信員)