
沖縄国際大に米軍ヘリが墜落した事故から13日で19年となるのを前に、玉城デニー知事は10日の会見で、米軍普天間飛行場の1日も早い危険性除去は喫緊の課題だとし「政府が『唯一の解決策』とする辺野古移設に関わりなく、1日も早い危険性除去が実現されるべきだ」と述べ、早期返還を改めて訴えた。普天間飛行場にも所属するMV22オスプレイのクラッチ不具合に関しては「疑念は払しょくされない」と指摘した。
玉城知事は、2004年の事故以降も、米軍機の運用に起因する事故が繰り返し起きており「普天間飛行場の1日も早い危険性の除去は県民の強い願いだ」と強調した。
普天間飛行場の辺野古移設に県が反対しているために、普天間飛行場の返還が遅れているとの見方に対しては、過去3回の県知事選や県民投票の結果から「反対の民意が圧倒的だと明確に示されている」と強調した。民意を顧みない政府に対しては「政府は民意を重んじ、辺野古移設を『唯一の解決策』としない普天間飛行場の危険性除去を実行することが、県民の意志に対する対応ではないか」と批判した。
一方、普天間飛行場にも所属するMV22オスプレイに関し、クラッチ不具合に関係する事象「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」が国内でも発生した疑いがあることにも言及した。米軍がHCEの国内事例があるか調査を進めていると琉球新報に回答した件については、県が7月31日に沖縄防衛局に対して行った事実関係の照会に対する回答がまだ来ていないと説明した。
米軍が事故報告書で、特定部品の交換で問題が発生する可能性を「99%低減した」としていることに対しては、「根本原因は依然不明」とされたことを念頭に「欠陥のある部品を新たな部品に交換しても、その欠陥の存在そのもについての疑念は払しょくされない」と述べ、「問題は完全に解決されていない」と強い警戒感を示した。
7日に行われた県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の要請項目では、この問題を新たに盛り込んだ上で配備計画の見直しを求めていくことを決めたことを踏まえ、日米両政府に明確な説明を求めていく考えを示した。
(知念征尚)