世界自然遺産登録地に隣接する本島北部の米軍北部訓練場の返還跡地で、2016年の返還以降に回収された廃棄物が、空包類約5万2千発、大型鉄板263枚1万4千キロに上ることが沖縄防衛局のまとめで分かった。跡地利用特措法に基づく土壌汚染調査の支障除去作業で、22年度までにかかった処理費用は約7億円に上る。
空包類や鉄板などのほか瓶や缶、プラスチックなど1万7千キロも回収されている。返還後も大量の米軍廃棄物が散在し、日本政府が回収や処理を継続している現状がある。
世界自然遺産登録から2年がたち、日米政府は7月に北部訓練場や返還跡地を含む北部地域一体の自然環境保全に向けて共同声明を発表。米軍による環境保全への協力を進める方針も示した。
11日は「山の日」。この日にちなんで、本島北部地域では自然豊かな森を楽しむ各種イベントが開催される。一方で、米軍廃棄物の現状を問題視する市民からは、実態の公表や、米軍廃棄物が残存する現場に、危険を知らせる看板設置などを求める声もある。
(慶田城七瀬、知念征尚)