8月6日の二つの惨劇を継承へ 広島原爆と伊江島LCT爆発事件 伊江島で体験者講話や写真展


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シンポジウムに登壇し、戦争孤児の外間モウシさんが、伊江島LCT爆発事件で亡くなったと証言する本部町の中村英雄さん=11日、伊江村のはにくすにホール

 【伊江】広島原爆写真展&伊江島LCT爆発事件写真展(伊江島米軍LCT爆発事件8・6の会主催)が開催されている、沖縄県伊江村のはにくすにホールで11日、伊江島爆弾輸送船(LCT)爆発事件を振り返るシンポジウムと、広島原爆の体験者伝承講話が開かれた。市民約30人が訪れ、8月6日に起きた二つの惨劇を語り継ぎ、共有することを確認した。

 伊江島LCT爆発事件は1948年8月6日に発生した。島に残された未使用の爆弾を遠洋に投棄する作業中に、125トンの爆弾を積載した米軍のLCTが爆発。死者107人、負傷者70~100人、家屋8棟全焼の被害を出した。

 シンポジウムでは、15年以上、伊江島LCT爆発事件を調べている、伊江島米軍LCT爆発事件8・6の会事務局長の長嶺福信さん(75)が、爆発事故が起きた時の島の状況や事故原因などを解説した。体験者の中村英雄さん(94)が、爆発事故に巻き込まれ、いまだ被爆慰霊碑に刻銘されていな戦争孤児の本部町の外間モウシさんが、砂浜で爆弾の破片がおなかに刺さり、亡くなったと証言した。

 中村さんと一緒に外間さんの刻銘に取り組む長嶺さんは「中村さんは自分が元気なうちに、なんとか外間さんを刻銘してあげたいと話している。私もなんとか力になりたい。外間さんの刻銘は私たち2人の願いです」と強調した。

 被爆体験伝承講話では、広島平和センターで被爆体験伝承者として活動する仁木美恵さんが登壇した。15歳で被爆した切明千枝子さんの体験を紹介し、知人らが原爆で亡くなる中で「自分だけ生き残ってしまった」と思い悩んだ、切明さんの苦しみを伝えた。(金城大樹)