県系人ら「まるで戦場」 ハワイ火災 沖縄から支援動きも


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 米ハワイ・マウイ島で発生した山火事で観光地ラハイナが壊滅的な被害を受けた。ハワイには多くの沖縄県系人が暮らしており、県内からは心を痛める声が上がると同時に、支援に向けた模索も始まっている。

 琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会USA支部長でホノルル在住の県系4世、村田グラント定彌(さだみ)さん(61)は「とても驚いている。燃えた町はまるで戦争地域のようだ」と話した。友人のラハイナ浄土院の住職からは「遺体が至る所にある」と電話で聞いたという。県系人の被害は「あまり聞いていない」と話した。村田さんは「ラハイナには1940~50年代には県系人もたくさん住んでいたと聞いたが、今はあまり住んでいないようだ。観光地で古い建物もたくさん残っていたが、ほとんど焼けてしまってとても悲しい」と肩を落とした。

 ハワイ沖縄連合会は、どのようなサポートができるか、話し合いを始めているという。

 1966年に県系人が創業したレストラン「Zippy’s(ジッピーズ)」は、インスタグラムに火災の写真や「誰もが悲痛な喪失を感じている」などとメッセージを投稿。ハワイの赤十字社に2万5千ドルを寄付するとした。

 沖縄ハワイ協会の大山盛嗣事務局長は、ハワイ沖縄連合会と連絡を取り「県系人の死亡者はいないようだが財産を失った人はいると聞いた」と話した。沖縄戦の後、ハワイから多大な支援が寄せられたことを振り返り「今度は沖縄からできるだけの支援をしたい。早めに寄付金を募って、沖縄からちむぐくるを届けたい」と話した。

(中村万里子、沖田有吾)