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三つの日本高校新獲得の比嘉成に「最低限の記録」「90点あげられる」 成長見守る父・敏彦監督 共に世界目指す


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スナッチでジュニア日本新記録と高校新記録を達成した比嘉成の健闘をたたえる父で監督の比嘉敏彦さん=13日、士別市総合体育館(大城直也撮影)

 【北海道総体取材班】全国高校総合体育大会・北海道総体第22、23日は13、14日、各地で競技が行われた。重量挙げの女子59キロ級で比嘉成(本部)がスナッチ94キロ、ジャーク107キロ、トータル201キロとすべてで日本高校新記録を樹立し、2連覇した。スナッチは日本ジュニア(15~20歳)記録も更新した。男子96キロ級の石川太陽(嘉手納)はスナッチ112キロ、ジャーク142キロのトータル254キロで準優勝だった。女子64キロ級の山里美月(嘉手納)はトータル147キロで6位に入賞した。男子102キロの山城慎太郎(沖縄工)はトータル238キロで7位だった。卓球の男子シングルスの坂井雄飛(与那原東小―岡山・甲浦小―愛知・愛工大名電中―同高2年)は準決勝で三木隼(山口・野田学園)に1―3で敗れ、ベスト4だった。

<重量挙げ>

 比嘉成(本部3年)をスナッチ、ジャーク、トータルの三つ同時の日本高校新記録に導いた比嘉敏彦監督。父でもある敏彦監督は「練習も積めていたので、最低限の記録を出せて良かった」と笑う。

 アップ時の成の様子から「きょうは行ける」と感じていたという。全身の緊張をほぐすように体をたたき、最後は顔を見ながら「取りあえず集中。油断するな」と声をかけ、試技台に送り出した。すでに他の選手の競技が終わっているため、連続試技となる。成がいいタイミングで出られるようにタイムマネジメントを意識したという。

 スナッチ94キロ、ジャーク107キロをそれぞれ2本目で成功させ、3本目は成が触ったことのない97キロと110キロに挑んだ。取れる練習はしてきたという敏彦監督だったが、3本目はともに失敗。それでもスナッチはジュニアと高校の日本記録、ジャークとトータルは高校の日本記録を樹立した。「90点はあげられるかな。ミスの仕方が良くなかった。97キロと110キロを挙げられていたら納得していた」と手厳しい。

 厳しく評価するのは、成の目標であるロスオリンピックへ時間がないためだ。ロス出場を狙うために、2年後までに世界で勝負できるようにするという。「本人が志を高く、プロになる自覚が必要」と語る。三つ同時の日高新で「本人の自信にもなった」と大会を振り返りながら「(沖縄に)帰ってすぐに練習です」と言い切る。親子二人三脚で世界を目指す歩みは、まだまだ続く。
 (屋嘉部長将)