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東恩納と永本の投げ合いか 沖尚打線の奮起が鍵 創成館戦の見どころ


この記事を書いた人 琉球新報社

 16日の第105回全国高校野球選手権記念大会第10日第1試合(午前8時開始予定)で、県代表の沖縄尚学は創成館(長崎)と8強入りを懸け3回戦を戦う。台風7号の接近に伴い当初予定の15日から1日ずれ込んでの試合だが、選手らは士気を下げることなく、勝利に向け闘志を燃やしている。

3回戦を控え、バッティング練習で汗を流す沖縄尚学の選手たち=14日、兵庫県西宮市の津門中央公園野球場(小川昌宏撮影)

 試合は沖縄尚学のエース東恩納蒼と、創成館の永本翔規の投げ合いが予想される。2人とも最速147キロの直球を投げ、変化球では精度の高いスライダーを武器とするなど特徴が似ている。どちらが我慢比べを制することができるかが見どころとなる。

 沖尚打線は11日のいなべ総合(三重)との初戦を3―0で勝ったが、相手の緩い球に詰まらせられ、中盤以降は追加点を挙げられなかった。3回戦に向け、練習では低く強いライナー性の当たりを打つことを徹底してきた。層の厚い創成館の投手陣を打ち崩せるかが勝敗を分ける鍵となる。

 高い守備力でロースコアに持ち込みたい創成館に対し、沖縄尚学は安打で打線をつなげ得点を重ねる野球を目指す。それぞれの得意な試合展開から流れをつかんだチームが準々決勝進出を決める。

 (砂川博範)

最速147キロの直球を投げる創成館の永本翔規(長崎新聞社提供)

■投手7人擁する守りのチーム 創成館の戦力分析

 創成館(長崎)は守備が強みのチームで、稙田龍生監督自身が「守り勝つ力」という題名の本を出版している。特筆すべきはベンチ入りメンバー20人中、投手が7人いることだ。選手権長崎大会におけるチーム防御率は全5試合で0.39と抜群の安定感を誇る。

 中でも永本翔規と福盛大和の2人がチームを引っ張る。永本は準決勝と決勝を完投し、さらには4番打者も務める投打の大黒柱。制球力が抜群で直球は、沖縄尚学の東恩納蒼と同じ最速147キロを投げる。スライダーの精度も高い。

 エースナンバーを背負う福盛は父が元プロ野球選手で、長崎大会では2試合に登板し12回を投げ無失点。カーブなどの変化球で緩急を付けた投球を持ち味とする。

 一方、チーム打率は2割5分2厘で守備と比べると迫力はいまひとつだが、単打と足を絡め得点できる機動力がある。1年生の頃から先発出場する先頭打者の川﨑統馬が出塁し、4番の永本まで走者をためる形で点を奪っていく。

 (砂川博範)