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【バスケW杯直前座談会(上)】元キングス#6金城の推し選手は? 「徒歩1分でリング」沖縄バスケ文化の強みとは


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江

  沖縄市の沖縄アリーナで25日に開幕するFIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)2023に合わせて、琉球新報は13日に県出身の元選手やバスケ好きを公言する芸能人を招いた特別座談会を那覇市の琉球新報社で開催した。座談会の全文を(上)(下)に分けてお届けする。

(司会進行=編集局暮らし報道グループデスク・平安太一)

◆◆座談会の出席者◆◆

金城茂之(きんじょう・しげゆき)浦添市出身。大学卒業後にbjリーグとBリーグの琉球ゴールデンキングスに所属し、仙台89ersでも活躍した。キングス在籍時につけていた背番号「6」は永久欠番となっている。

西田陽子(にしだ・ようこ)。沖縄市出身。女子バスケットボールWリーグの三菱電機コアラーズで長年プレー。選手引退後は同チームでアシスタントコーチを務めた。現在は県内で体育教師をしながら後身育成に励む。旧姓は安谷屋。

長嶺花菜(ながみね・かな)沖縄市出身。「かーなー」の愛称でタレントやフリーアナウンサーとして県内のテレビやラジオなどで活躍する。趣味はスポーツ観戦。「キングス女子」として琉球ゴールデンキングスの応援番組に出演する。

榎森耕助(えもり・こうすけ)奈良県出身。お笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ担当。学生時代からバスケを始め、社会人となった今も現役でプレーする。ユーチューブなどで社会問題を提起する「せやろがいおじさん」としても活躍する。

金城茂之さん

◆証明された「自称バスケ王国」

(司会=平安) 沖縄開催の意義、そして今後の沖縄バスケへの影響は。

(金城茂之)一言でいうとすごいことだ。僕は宮城県に4年間いたが、47都道府県で沖縄は一番小さい県だ。離れ小島でもある。沖縄アリーナがあるとはいえ、この島で世界大会が開かれるのはすごいことだ。

ここにはバスケットボールの文化が根付いている。小さい頃から先輩方のバスケを見てきた。基地もあって。あ、基地のことは言わない方がいいのかな(笑)。本場のバスケを間近やテレビで観られた。

最初の辺土名旋風から始まってコザ中の優勝もあり、僕らの北中城高校が全国2位になった。キングスができて、アリーナもつくられて、こういう風に思いがつむがれていった。世界のバスケを呼び込むまでになったということは、本当に意義がある。それを子どもたちが生で観ることができる。一番すごいことだし、僕も観たい。

(スロベニアの世界的選手)ドンチッチってどのくらい速いのか。体の大きさはどれくらいなのか。観ることで全然変わる。W杯は沖縄にとって大きな節目になると思う。

(司会)金城さん自身、沖縄と県外で長くプレーをしてきた。県内のバスケの文化の違いは感じるか。

(金城)まず環境が違う。沖縄は一年通して暑い。しかも屋外でプレーできる場所が多い。バスケができる時間の確保の容易さと自分で練習時間を選べることが全然違う。県外はバスケしたくても車で30分走らないといけない。僕が小学校の時、歩いて1分くらいの場所にリングがあった。好きな時にプレーできるのは大きいかなと思う。

自分たちで言っていた「自称バスケ王国」が本当に証明された。うれしい。それも木村さん(※木村達郎キングス前オーナー)ら内地の人も関わって一緒につくりあげたのがすごい。本当に良いなあと思う。

(会場)・・・・。

(金城)なんかシーンとした(笑)

(一同)いや、いい話だなと思って(笑)

 

榎森耕助さん

(榎森耕助)でも金城さんの言うとおりで、僕は奈良県出身で奈良でバスケやっていた。中学のテスト期間中とかバスケをしたくてもどこにもバスケができるところがない。だからポートボールをしていた。(友達と)「お前リング役な」て。何も練習にはならない(笑)。

だから学生時代、ほんまにバスケやりたいときに、この環境ならばすごい楽しかっただろうなと大学時代に沖縄に来て感じた。

(司会)榎森さんは今も現役でプレーをしている。その中でW杯の意義をどう感じるか。

(榎森)僕は今もめっちゃおっさんたちと草バスケをやっている。今日もここに来る前にプレーしてきた。本当におっさんたちはW杯があるということで楽しそうだ。50歳手前の強面のおっさんが「ドンチッチ来るよ!」て言ってニコっとしている。県内のバスケ好きはみんなこの顔になっているのかな。僕も幸せな気持ちになる。僕らは、ほんま沖縄バスケ界の下の、、最下層の方だけど(笑)

(司会)(下ではなく)「バスケ界を支えているみなさん」では?(笑)

(榎森)そうですね。もっと丁寧に、そう言い換えてもいい(笑)ほんとフィジカルもスピードもない。レイアップのエアーボールを見ることもある。僕らのところはそれくらいなんで(笑)

(金城)それこそポートボールみたい(笑)

(榎森)とにかく長年プレーを続けるバスケ好きの人たちと関わることが多いので、W杯に対する期待を感じる。それが沖縄で開かれることの喜びを本当に日々感じながら、僕も本番を楽しみにしている。

FIBAバスケットボールワールドカップ2023の予選開催地に決定の連絡を受け、万歳する桑江朝千夫市長(前列中央)ら沖縄市の関係者ら=2017年12月9日夜、沖縄市役所

◆懐深い沖縄バスケ

(司会)バスケは若い人たちのスポーツとのイメージがある。

(榎森)実は年配もプレーしている人が多い。40歳からシニアのチームに入ることができる。自分は35歳だが、「5年後うちに入れよ」とスカウトもある(笑)もう5年後のチームも決まっている。

僕は昔はNBA選手に憧れていたが、今は自分が競技を何年続けられるかに興味がある。新聞にも出ていたが、沖縄にはシニアの世界大会に出ているような選手もいる。60代中盤でバスケしているおじさんを見たら、「俺もこの年代までできるかな」と希望が湧く。しかもこの方、世界大会前に膝をけがした。普通、その年になったら「バスケ辞めようかな」ってなるはず。でも、この方はコロナ禍の間に膝の手術をして、今は動けるようになった。このチームの練習場には「俺たちには明日はない」とのスローガンが掲げられ、練習しているそうだ(笑)

僕はシニア層と一緒に練習することがある。この方たちが熱くバスケしている姿を見ると、沖縄バスケの懐の深さを感じる。
さっき金城さんも言っていたが、沖縄にはストリートバスケ文化が根付いてて、キングスを応援するブースターの見る目も肥えているとよく言われる。こういう島で、キングスが優勝して、アリーナもできて、その場所にW杯がくることになった。そうすると、いよいよ沖縄が日本バスケ界のメーンストリームに躍り出ることになる。

これを機に「沖縄でバスケしたい」「沖縄アリーナでバスケしたい」と多くの人が思うようになってほしい。「日本におけるバスケの聖地は沖縄だ」と将来的になるような気もする。それくらいインパクトのあることだ。

西田陽子さん〈旧姓・安谷屋)

(司会)西田さんは、W杯の意義をどう考えるか。

(西田陽子)まずは単純に、首都の東京でもなく、大都市の大阪でもなく、ここ沖縄でW杯が開かれるということが、県民の一人としてワクワクする。

私が現役の時の2006年に埼玉で世界選手権が開かれた。ちょうど自分が名古屋のチームにいたときに、予選が浜松で開かれていて見に行った。そしたら会場はがらがら。観客があまりにもいなかったのが印象的だった。あのときのイメージを持っていたので、今回、沖縄でW杯が来ると決まった時は「絶対、沖縄だったら盛り上げられる」、「地元として盛り上がるW杯にしたい」と思った。微力だが何かできることはないかなと考えている。

キングスの活躍があったり、アリーナができたりとかいろいろ重なっているが、ここでW杯が開催されることは日本の中で沖縄のバスケが認められたということだと思う。本当に誇らしく、うれしい気持ちが一番だ。

W杯2023予選ラウンド沖縄開催決定を受け会見する(左から)県バスケットボール協会の日越延利専務理事、日本バスケットボール協会の田中道博専務理事、琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボールの木村達郎社長=2017年12月11日午後、県庁

◆6チャン時代、おおらかさ、独特なリズム

(司会)西田さんは沖縄バスケの魅力はどこだと思うか。

(西田)自分も小さい頃から(米軍基地から放送され、NBAの試合が中継された)6チャンネルを見ていた。NBAが身近にあったことも影響してか、規律よりも自由なプレーが沖縄の特徴だと感じる。自分は高校まで沖縄でプレーしたが、そういう点が認められて上のリーグでもプレーができたかなと思う。やはり沖縄の選手の独特なリズム、伸び伸びした環境が沖縄の子どもたちに合っている。それをつくったのは50、60代の愛校家や指導者の方々がそういう雰囲気をつくってくれた。これはありがたい。

(司会)脈々と、それこそ6チャンネルの時代から続いてきている。
(榎森)沖縄のバスケ、自由すぎるやろ(笑)。こっちにきて分かった。3人ディフェンスいるところに、1人で突っ込んで、ダブルクラッチする。決めるからいいけども(笑)。
(西田)そうそう(笑)。内地だったら、そんなことしたら「交代」みたいな、ね(笑)。

(榎森)そのおおらかさが、もしかしたら。3対3のバスケットがすごい流行っていて、僕は最近その大会のMCをしたが、あれは沖縄バスケとめっちゃ相性いいと思う。1対1でいくみたいな。(一同賛同)。いろんなバスケが出てきていてまた面白い。今度、3対3の企画をするときは、(座談会を)よろしくお願いします(笑)。
(金城)というか、陽子さん、全然変わらないですね。いま、ずっと聞いていて。あ、全然関係ないですけど(笑)。小6の頃を思い出しました。同じ声だった。テレビでやっていたんですよ。テレビでやっていた高校3年のインターハイ(県大会)を見ていて、(北中城高校が)優勝していた。優勝インタビューの声が。
(一同)笑。
(榎森)高3から変わっていないって、褒め言葉なのか(笑)
(一同)笑。
(金城)先ほど「独特のリズム」って言っていたけど、(西田は)一番独特ですよね(笑)。なんだろうか、ダッシュを見たことなかった。
(西田)本当に!?(笑)のらりくらり、スルーみたいな(笑)

W杯会場となる沖縄アリーナ=沖縄市

(金城)それこそ、(スロベニア代表の)ドンチッチみたいに、ゆるゆるゆるーっといっていた。なんで、この人こんな遅いのに抜けるんだろうって思っていた。
(西田)確かに。大学でも実業団でも、やっぱり速い人がいっぱいいるじゃないですか。
(金城)全然違いますよね。
(西田)た、確かに。そうだ。
(金城)覚えています。ゆるゆるゆるっと相手を抜いて、ぽいっとパスを出す。テレビで見ても分からないところにポイッと出す。めちゃくちゃ覚えています。
(西田)ありがとうございます(笑)。褒め言葉が出て、暑くなりました(笑)

長嶺花菜さん

◆有名選手に街中での遭遇!?高まる期待

(榎森)(突然仕切り出す)じゃあ、続いて(長嶺)かーなーさん(長嶺さん)。

(一同)笑。

(西田)仕切っている!

(長嶺花菜)本当に、(W杯まで)2週間切っているということで、街中見てものぼりや、看板とか、広告がたくさんあって、タクシーとか、ゆいレール、バスとかも、すごいじゃないですか。ラッピングが。それを見るだけで、本当にお祭りなんだなと思って、すごくわくわくするし、やっぱり、キングスが優勝した年にW杯が行われるということが、やっぱり特別なものがある。

(榎森)(かぶせるように)よく優勝してくれましたよね。

(長嶺)いい流れをつくってくれた。

(金城)(笑)熱がやっぱり違いますね(笑)

(長嶺)やっぱり私は地元が沖縄市なので、そこでW杯が開催されるというのは、本当に誇りに思います。キングスのホームタウンの沖縄アリーナが、W杯仕様になるということで、いつもと違う演出や、装飾、エンターテインメントが見れると思うと、すごく楽しみ。本当に、夢のようだと思う。やっぱり世界を代表する、各国のスーパースターが集まるのは本当に期待が高まりますし、W杯級のスポーツの祭典が沖縄で開催されることで、すごく自信につながると思う。今後、このような大会がもっと行われるのではないかとか、沖縄の未来が明るくなるような連鎖になることをすごく期待している。

(司会)長嶺さん、地元の沖縄市で行われるのは、やっぱり、スポーツがもたらす地域への波及効果も変わってくるのではないか。

(長嶺)そうですね。やっぱりキングスの応援でアリーナに行く人の中で、地元沖縄市の子も多い。(キングスの試合)会場で聞くと、すごく子どもたちもわくわくしているのが、伝わってくる。取材で、W杯について知っているかと聞くコーナーがあったが、みんなけっこう詳しかった。日本のグループや、日本が今まで勝利がないこととか詳しかった。子どもたちの熱量がすごいと感じている。

(司会)海外のことを知るきっかけにもなっているかもしれない。

(長嶺)もしかしたら、海外の選手が沖縄市を歩く。

(金城)あ、本当だ。

(長嶺)いろんな観光スポットにいるかもしれないので、会える機会もありますよね。

(西田)ドンチッチに会えるかな。

開催を盛り上げようと街のいたるところでW杯の装飾を目にする。タクシーにも=沖縄県内

(榎森)(沖縄市の)吉元弁当に行ったら、(ドイツ代表NBA選手)シュルーダーがいるとか。
(一同)
(西田)吉元弁当!(笑)しかも、そこ(笑)
(榎森)チャーリー多幸寿(タコス屋)にドンチッチがいたりして。たぶんチャーリー多幸寿は行くんじゃないかな(笑)
(西田)あ、行きそう。
(長嶺)身長高いから、バスケット選手って分かるから、話しかける機会になったらいいなと思う。
(榎森)沖縄南(インターチェンジ)の渋滞を、世界の選手が体験することになる。
(一同)

 

北谷町観光情報センター前には公式マスコット「JIP」が立っている=13日、北谷町美浜

◆米国のプレー、欧州のプレー、ここが違う

(司会)皆さんが注目している選手は。

(榎森)せっかくなので日本で言わせてもらいたい。やっぱり、富永啓生選手。強化試合をしているのを見ていても、とにかく、今までの選手と比べて、スリーポイントの精度もレンジも、この若さで違う次元にいるなと思う。ちょっとやんちゃな性格も、見ていてわくわくする。

 スリーポイントを決めたときに、セレブレーション(決めポーズ)をする。トム・ホーバス(監督)に「決めましたよ」と。韓国戦で、フリースローを決めたら、ブーイングしている韓国のブースター(ファン)に向けて、(指を立てて)「しっー」としていた。このやんちゃさが、スリーポイント1本くらい外しても、ばんばん打つ。ある種、いいシューターメンタリティーを持っている感じがする。やんちゃな選手を見ることが好きなので、わくわくする。

 この選手を今、生で見ていたら、(富永選手は)米ネブラスカ大学で次は最終学年だと思うが、彼はNBA入りは全然あり得ると思う。(自分は)「NBA入る前から、富永を見ていた」と自慢できる(笑)

(長嶺)NBAのプレーはあまり見たことがなくて、詳しくないが、詳しい人に聞くと、NBAとユーロリーグは全然違うので、見た方がいいとすすめられた。ヨーロッパのバスケットは美しいという話を聞くので、それを見てみたい。何が違うんだろうということを見る機会になると思っている。

やっぱり金城さんも言っていたように注目選手で一番名前が挙げられるのがドンチッチ選手。名前も覚えやすくて(笑)。一番最初にスター選手で覚えたのがドンチッチ。身体能力の高さ、フィジカルの強さとか、いろんなスキルがレベル高いと効くのですごく注目している。

早くみたいなと思う。世界のプレーに詳しくない人でも楽しめるんじゃないかと思っている。

 

FIBAワールドカップ2023の開催に向けて開いた座談会に出席した(左から)金城茂之さん、西田陽子さん、長嶺花菜さん、榎森耕助さん、司会を務めた平安太一デスク=8月13日、琉球新報社

(西田)アメリカは個人で、ヨーロッパはパスというか、ね。

(金城)(ヨーロッパは)組織っぽいですよね。

(西田)そう。組織と、「ここを通すのか」と驚くパスプレーなどが美しい。

(金城)玄人好みかもしれない。たぶんヨーロッパの話をし始めると1時間じゃ足りない(笑)

(長嶺)ヨーロッパのプレーを見ると、ヨーロッパのプレーの方が好きになるよ、とか言われる。やっぱりそうなんだ。

(榎森)僕もあまりちゃんと見ていない。

(西田)そこまで詳しくはないけど、ヨーロッパの選手はパスが上手。あとは、大きくても「ポイントセンター」みたいな形で、2メートル10~20センチの人が、ポイントガードみたいなことをする。そう考えると、ヨーロッパの育成ってどうなってるのかなと気になる。

(金城)めっちゃ気になる。行きたいですよね。

(西田)ね。どういうシステムになっているのかと思っている。ドイツの育成ってけっこうすごいらしい。そのあたりもぜひヨーロッパを見てください。

(長嶺)聞けてうれしい。見どころを知ることができた。

天皇杯凖決勝の琉球-横浜。 第3Q、エンドライン付近でボールを取り、パスを出す横浜の河村勇輝=2月15日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)

◆キングスの「宿敵」、心強い味方に

(司会)西田さん、この流れで、注目選手は。

(西田)もちろんルカ・ドンチッチもそうだが、自分としてはWユウキ(富樫勇樹、河村勇輝)。富樫選手が元々好きだったが、河村選手も出てきたから、どっちかって選べない。いま、娘と張り合っている(笑)。「どっちのユウキを見たい」って(笑)。選べないからWユウキと言っている。個性がどっちもあると思うが、でもやっぱり富樫選手の安定、勝負強さに期待する。

(榎森)クラッチタイムめちゃくちゃ強い。

(西田)ですよね。ボール持ったらわくわくするというか、絶対きめてくれるという安定感がある。富樫選手は今回キャプテンでもあるので、同じガードとしても頑張ってほしいと思う。

(長嶺)娘さんはどっち派ですか?

(西田)娘は河村(笑)。若いから!

(一同)河村はすごい。

(司会)天皇杯で(キングスは)40点もとられるしね。

(西田)45点でした。

(榎森)生で見ていた。

(西田)自分も見てた。黙りましたよね、観客が。最後の方は。

(榎森)一回、笑っちゃう、みたいな。

(西田)そうそう。失笑(笑)。2クォ―ターくらいまでは、みんな「やっぱりすごいんだ、河村」ってなっていたけど、最後の方とか、3クォ―ターくらいから、「えっ」って(笑)。ひいてる(笑)。本当に会場、アリーナがそんな感じだった。あの雰囲気は独特だった。

天皇杯決勝の琉球-千葉。 第4Q、3Pシュートを決める雄叫びを上げる千葉の富樫勇樹=3月12日、東京都の有明コロシアム(大城直也撮影)

(司会)逆にこれを代表戦で見たいですよね。
(西田)見たい。
(榎森)富樫選手も、キングスの宿敵千葉ジェッツ。何回もこいつ(富樫)には苦い汁を、すすらされてきたか(一同笑)。でも、こいつが味方の時の「頼むで」という安心感もすごい。ただ、代表戦で外したときは倍、腹立つ(笑)。キングスの時は決めたのに、なんで代表では、って。
(西田)分かる(笑)。あのとき、キングス戦では決めるのに、みたいな。
(榎森)でもやっぱり富樫選手は、一回自分の時間をつくったら決めてくれる。(記者へ)とってもきれいな言葉に変えていてください(笑)
(一同)笑。

 

バスケットコートに設置されたW杯のロゴと日本がデザインされたバックボード=7月13日、北谷町の安良波公園

(司会) 金城さんが注目している選手は
(金城)日本代表は全員言われちゃったんで。島根にいる(オーストラリア代表の)ニック・ケイ選手。

(アシスタントコーチをしていた仙台ERSで)島根と対戦した時に、(島根の)ペリン・ビフォード選手が、テクニカルファールを2回とられ、1戦目は前半で終わり、2戦目も出られなかった。(パワーフォワードの)リード・トラビス選手も出られずに、ほぼ外国人がニック・ケイ選手だけだった時があった。その時がやっぱりすごかった。ヨーロッパのプレーだった。

ヨーロッパの特徴で、センターはやっぱり頭が良い。なんか、じゃんけんが強い、みたいな(笑)。対応力がすごい。仙台も対応したが、全部、上をいかれた。オーストラリアは、たまたまだが、好きな選手、見ていた選手がいる。パティ・ミルズ選手とか。W杯ではすごく点をとる。くせのある選手がけっこう好きで、遅いけどうまい、とか、スリーポイントはないが、パスはうまいとか。

(オーストラリア代表に)ジョー・イングルスという選手がいる。けがしちゃって、出るか分からないが、めちゃくちゃ遅い。記事にならないかもしれないが、めちゃくちゃ遅いが、フェイントがうますぎて、みんなひっかかる。打つ寸前で、交わしたりする。(キングスに所属していた)石崎巧選手みたいな感じ。めちゃくちゃうまい。

 >>座談会(下)日本勝利へのポイントは? 世界目指す次世代への刺激に