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【深掘り】「このままでは廃業も」 沖縄ガソリン最高値187円 事業者から悲鳴


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那覇市内のガソリンスタンド。沖縄県の14日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの価格は過去最高値の187円20銭だった=17日午後6時ごろ(喜瀬守昭撮影)

 16日に経済産業省が発表した14日時点の県内レギュラーガソリン価格が税込み1リットル当たり187円20銭で過去最高値となった。軽油も前週より5円2銭高い165円7銭で上昇した。県内離島では店頭価格が同200円を超える給油所が増えるなど、県民生活や各種事業の負担増となっている。県内の関係者からは「先行きが見通せない」「このままでは廃業に追い込まれる可能性もある」などと不安や窮状を訴える声が相次いだ。

 調査した石油情報センターによると、価格は全国で長野、鹿児島、長崎に続き4番目に高かった。原油相場の上昇や国の補助が段階的に縮小していることが響き、全国的に上昇傾向にある。さらに製油の仕入れ先が遠い県内は輸送コストが割高になり、販売価格にも影響している。今回の値上げ幅について担当者は「元売りから小売りへの卸値がいつ価格転嫁するかのタイミングで店頭価格が変わる。今回そのタイミングに当たったのではないか」と推測した。

 沖縄本島では価格競争もあり、離島ほどの値上がりにはなっていない。ただ県石油商業組合・県石油業協同組合の玉城善和理事長は「どこも薄利の状況が続いている。仕入れ価格が上がり、何とか利益を確保しないといけないという環境も最近の動きにつながっている」と分析。「これまで200円以上になることはなかったが、本島でも今後達する可能性は十分にある」と見通した。

 県トラック協会の新城英一会長は「戦々恐々としている。体力に応じて対応せざるを得ないが、荷主との交渉次第では会員の負担増になる可能性がある」と指摘。「本来は燃料費増は荷主に負担してもらいたいが、そうではない実態がある。状況によっては廃業もあり得る。どうあるべきか考えてほしい」と訴えた。

 ガソリン価格の高騰に県ハイヤー・タクシー協会の担当者は「経営を圧迫している。各事業者でコストカットに取り組んでいるが、限界がある」と吐露。「経費に占めるガソリン代の割合は上がっており、事業者が身を切りながら経営している状況だ」と首を振った。
 (謝花史哲まとめ)