第105回全国高校野球選手権記念大会で準々決勝進出を果たした沖縄尚学は17日、兵庫県西宮市の津門中央公園野球場で全体練習を行った。トス打撃やフリー打撃に加え、より実戦を意識した投打の練習に取り組み、19日の慶応戦に向け準備を整えた。
沖尚の準々決勝進出は、夏の甲子園としては2014年の第96回大会以来9年ぶりで、県勢としては15年の興南以来8年ぶりとなる。それでも選手らは気負うことなく、目の前の試合だけを見据え「一戦必勝」の精神で練習に臨んだ。
主将の佐野春斗は対戦相手の慶応について「投打ともにレベルが高い。ロースコアに持ち込むのは厳しいと思うので、点を取られたらそれ以上に取り返さないと勝ち目はない。打撃陣がより鍵になってくる」と見ており、全員で勝ちをつかみにいく覚悟を示した。
(砂川博範)
8強入りを決め、夏の甲子園初の4強を懸けて19日に慶応(神奈川)と対戦する沖縄尚学。打撃投手、さらには応援団長としてチームを盛り立てるのが3年生の仲里佳だ。ベンチ入りは果たせなかったが、「メンバーが甲子園に連れてきてくれたので、試合で調子を上げられるようサポートすることが自分の役目だ」と陰から支える。
父親と2歳上の兄も沖尚野球部出身。仲里は1年生の頃から練習だけでなく、応援にも力を入れていた。「自分は試合と同じくらい本気を出して応援する。恥ずかしがるということはない」。そのため応援団長を任された。スタンドでは試合中、好機が訪れれば「ハイサイおじさん」など沖縄らしい曲に乗せて、どうすれば選手らを気持ちの面で後押しできるのかを常に考えながら応援に励む。
打撃投手としては、相手投手と似た球を投げてみたり、速球と緩い変化球を織り交ぜたりすることで、より実践に近づけるよう工夫を凝らしている。ベンチ入りできなかった時は「悔しくて立ち直れなかった」。それでも「みんなが頑張っている姿を見ている。自分の思いを託したい」と気持ちを切り替え、裏方から全力でサポートすると決めた。
19日は慶応戦。「まずは応援で負けない。選手たちにはプレッシャーがあると思うので、しっかり声で支えていく」。スタンドから一緒になって戦う覚悟だ。
(砂川博範)