第105回全国高校野球選手権記念大会第12日は19日、兵庫県の阪神甲子園球場で準々決勝4試合を行う。県代表の沖縄尚学は夏の甲子園では初となる4強進出を懸け、第1試合(午前8時開始予定)で慶応(神奈川)と対戦する。
2014年の第96回大会以来9年ぶりに8強入りした沖縄尚学は18日、兵庫県西宮市の津門中央公園野球場で全体練習に臨んだ。主将の佐野春斗は「少ない好機を全員でものにして、最終的に1点でも多く取れるよう頑張りたい」と勝利への決意を語った。
■比嘉監督「ビッグイニング作らせない」、森林監督「前戦の勝利でチームに勢い」
夏の甲子園準々決勝で、沖縄尚学と慶応が4強入りを懸けて対戦する。18日、沖尚の比嘉公也監督と慶応の森林貴彦監督に相手の印象や勝利への意気込みを聞いた。

沖縄尚学・比嘉公也監督の一問一答
―慶応について。
投手が糸を引くようなすごくいい直球を投げる。打撃陣も切れ目がない。選抜の時よりも、はるかにレベルが上がっているという印象だ。
―沖縄尚学の打撃陣は。
点を取らないと勝てないが、あまり状態が良くない。走者が出たら足を使うなど何をしてでも点を取る野球をしたい。
―(継投が予想される)儀部皓太朗や伊波慶治朗の調子は。
プルペンではいいが、打者が立つと難しい投球をする。まずは速度差や高低差をつけながら投げてほしい。
―勝敗の分け目は。
やはり投手の出来。東恩納蒼が投げるとしても、相手は簡単に抑えられる打線ではない。だからこそビッグイニングを絶対作らせないことと、無駄な四球や失策での走者から失点につなげたくない。
―試合展開はどうなりそうか。
5点以上取られることは想定しているが、それ以上にこちらが点を取れるのかどうか。勝つとしたらロースコアしかない。
―意気込みを。
大一番の勝負だと思うので頑張りたい。
(砂川博範)

慶応の森林貴彦監督の一問一答
―沖縄尚学について。
明治神宮大会や選抜にも出場し、勝ち方を知っているチームだと思う。打撃陣が点を取れば、あとは投手がしっかり抑えるという勝ちパターンを持っている。それをなんとか崩せるよう準備して挑みたい.
―(沖尚投手の)東恩納蒼について。
良い投手だ。高校野球の中ではかなりレベルが高い。投球術を含め、高校生らしからぬところがある。チャンスは多くない。気持ちよく投げさせないような試合展開にしたい。
―慶応のキーマンは。
強いて言うなら捕手の渡辺憩(けい)。投手の特徴をどう引き出すか、相手打線との兼ね合いでどういう配球をするかは渡辺が中心になってやっている。彼によってチームの命運はだいぶ握られていると思う。
―どのような試合展開にしたいか。
どんどん点を取っていきたいが、現実はそうはいかない。広陵戦で苦しい試合をしたので、あれ以上はもうないと思ってどんな試合展開になっても対応するしかない。
―意気込みを。
広陵戦で勝利し、チームが勢いづいた。沖縄尚学にもチャレンジしていきたい。
(神奈川新聞社の取材を基に作成)
【過去の戦績】神奈川県勢とは10回対戦し、沖縄県勢の6勝
甲子園での沖縄県勢と神奈川県勢の試合は春3回、夏7回の計10回あり、戦績は6勝4敗と勝ち越している。1975年に当時初出場の豊見城が選抜3回戦で東海大相模と戦い、1―2で惜敗したのが初対決。
沖縄尚学は92年の第74回選手権初戦で桐蔭学園と対戦し、延長十二回の末5―4で競り勝った試合がある。2010年の第92回選手権決勝では興南が東海大相模と戦って13―1で大勝し、県勢初となる夏の優勝を決めた。慶応との対戦では、浦添商が夏4強入りを果たした08年の第90回選手権準々決勝で4―3で制している。