【黒島=竹富】今年の豊作への感謝と来年の豊穣(ほうじょう)を祈願する沖縄県竹富町黒島の豊年祭が13日、黒島の宮里海岸で4年ぶりに催された。島民や郷友会員らが村対抗のパーレー(爬竜船)競漕(きょうそう)やミーラク(弥勒)行列などを奉納した。黒島公民館長の運道武則さんは「4年ぶりに開催できることを感謝する。島の先人がつくりあげた伝統、文化を次世代に継承したい」とあいさつした。
パーレー競漕は、村対抗による黒島独特の奉納神事。長老から杯を受けた「ウーニー」と呼ばれる走り手が浜を駆け出して船に乗り込み、沖合にあるフキ(浮き)を拾って浜に戻り、下船したウーニーが浜を駆け上がって長老の元に到着するまでを競う。砂浜では住民らが立ち上がって手踊りや手拍子をしながら、こぎ手やウーニーに声援を送り、盛り上がった。
競漕後には互いの村の住民らが一緒になって巻き踊りをささげ、豊作を祈願した。
(照屋大哲)