沖縄地方に長期間暴風をもたらした台風6号の影響で、県内で固定電話やインターネットなど通信サービスの故障が一部続いている。NTT西日本沖縄支店(古江健太郎支店長)によると、故障申告が本島を中心に約1万件寄せられており、県民生活や企業の業務に支障を来している。同社は申告から修理までにおおむね2~3週間かかるとし、早期復旧へ全国から延べ600人の作業員と200台の作業車両を本島に配備、9月上旬を目標に復旧を急いでいる。
台風6号の襲来で、沖縄地方では停電や断水などライフラインにも大きな影響を与えた。電話は今も一部不通が続く。
NTT西日本沖縄支店によると、県内の通信障害は停電の解消で復旧するケースがほとんど。ただ、それでも通信障害が続くケースは、電柱から家屋などに接続する引き込み線などの通信機器が故障している可能性があるという。
豊見城市で中古車販売を営む金城長恵さん(62)は、店舗で2週間以上通信障害が発生し、固定電話やインターネットが使用できなくなった。店への問い合わせができず、クレジットカードによる支払いもできない不都合も生じ、業務に支障が出た。
17日にようやく復旧したが、「こんなにも時間がかかるのか。災害はいつ発生してもおかしくない」と述べ、NTTに対し迅速に対応するよう注文を付けた。
通信障害が続いている状況を受け、NTT西日本はNTT東日本の協力も得て支援体制を築いている。沖縄支店は18日、浦添市城間の社宅駐車場で体制について説明。高所で作業ができるバケット車などが約30台並び、作業員らが機材の確認や車両の点検を行い、次々と故障現場へ出発していった。
沖縄支店の古江支店長は「多くのお客さまにご心配やご不便をおかけしている。心からおわびを申し上げたい」と陳謝。「しっかりと早期復旧に向けて取り組んでいきたい」と述べた。
(渡真利優人、小波津智也)
渡嘉敷停電 最長166時間
沖縄電力によると、台風6号の襲来に伴う停電の最長時間は渡嘉敷村の166時間53分だった。2018年の台風24号による108時間49分を大幅に上回り、過去10年間で最も長かった。
県内の最大停電戸数は2日午前10時の21万5800戸。過去10年間では18年の台風24号(25万700戸)に次いで2番目の多さだった。
台風6号では今月1日以降県内各地で停電が発生し、最後に渡嘉敷村の高圧配電線が復旧したのは8日午後7時14分だった。同社によると、台風6号は2度にわたる接近で県内各地が計70時間暴風域に入り、復旧作業に入れず停電が長引いた。
(當山幸都)