有料

対馬丸の悲劇学び交流へ 小中学生が奄美の宇検村へ出発 犠牲者流れ着いた地 沖縄県主催


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
対馬丸平和学習交流事業で鹿児島県大島郡宇検村へ出発する県内の小中学生と保護者ら=18日、那覇市の那覇空港

 対馬丸を通して戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぼうと18日、沖縄県内の小学5、6年生と中学生、保護者の30人が鹿児島県奄美大島に向けて出発した。県子ども生活福祉部女性力・平和推進課が主催する対馬丸平和学習交流事業の一環。2018年に始まり、今回で4回目となる。

 疎開する学童らを乗せた対馬丸は、1944年8月22日、米潜水艦の魚雷攻撃で撃沈された。参加者らは、犠牲者の多くが流れ着いた鹿児島県大島郡宇検村に2泊3日の日程で滞在する。対馬丸慰霊碑がある同村船越(ふのし)海岸でのフィールドワークや、周辺地域の同世代の子どもたちと交流する予定だ。

 那覇空港の出発式で、浦添中3年の吉長慧叶(けいと)さん(14)は「奄美の人との交流を通して、対馬丸のことを考えたい」と意気込みを語った。

 保護者として参加する上江洲健雄さん(47)は「親子で戦争や平和を考える機会にしたい」と話した。

(玉寄光太)