「力出し切った」 沖尚選手のプレーにスタンド健闘たたえ 悲願の夏の4強、次代に期待


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試合が終わり、選手たちをねぎらう沖尚野球部父母会のメンバー=19日、兵庫県の甲子園球場

 【甲子園取材班】強力打線に阻まれ、沖縄尚学の夏の課題は引き継がれた。19日の準々決勝。同校にとって記録更新となる夏の大会4強入りはかなわず、野球部OBや父母会からは「続く後輩がきっとやってくれる」。悔しさをにじませながら次代へ期待をつないだ。

 「お疲れさま。よく頑張ったと言ってやりたい」。同校野球部父母会長の永吉盛長さんはこの日を迎えるまでに力を振り絞ってきた選手の努力を見てきただけに感極まった。課題を克服する日々は今後も続くことを思い「後輩たちはきょうの姿を見ているだろう。必ずやってくれる」と期待した。

 同校野球部OB会にとっても4強入りは悲願だった。木場飛和太(ひなた)さんは「スタンドでも後輩たちみんながきょうの試合を見ている。ベンチ入りしている1年生もいるし、しっかり次を見据えて頑張ってほしい」と奮起を促した。

 この日の試合4回裏で本塁打を放った仲田侑仁選手の兄の仲田唯憲(いのり)さんは「本当に全力を出し切ってくれたと思う」と弟をねぎらった。そして「後輩にはベスト4の壁を破ってほしい」。次代へ思いを託した。

 期間中、目覚ましい活躍を見せたエース・東恩納蒼さんの父、東恩納直樹さんは吹奏楽の腕前を生かしトランペットで息子の力投を応援してきた。この日も強力打線に立ち向かった姿に「良かった。よくやったと声をかけてやりたい」。しみじみと語った。 (斎藤学)