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この海岸に多くの遺体が漂着…奄美・宇検で地元と沖縄の子が学習会 対馬丸の悲劇学ぶ


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「対馬丸」の犠牲者が漂着した海岸を訪れた子どもたち=19日午前、鹿児島県宇検村

 太平洋戦争後期の1944年、沖縄を出港後に鹿児島沖で米潜水艦に撃沈され、学童ら約1500人が犠牲になった「対馬丸」をテーマにした学習会が19日、鹿児島県・奄美大島の宇検村で開かれた。沖縄県が主催。沖縄と奄美双方の児童や生徒ら約60人が参加し、戦争の歴史や平和の尊さを学んだ。

 宇検村には対馬丸が沈没した当時、多くの遺体が漂着。海岸には慰霊碑がある。参加者は、対馬丸が撃沈された経緯を学んだ後、慰霊碑を訪れて献花。黙とうをささげた。

 沖縄県の中学1年中村音色さん(13)は「家族に学んだことを伝えていきたい」と話した。宇検村の青年団に所属する吉原周平さん(27)は「村の歴史を後世に継承していきたい」と意欲を見せた。

 対馬丸は44年8月、長崎に向け出港し、トカラ列島沖で魚雷攻撃を受けて沈没した。

(共同通信)