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アルゼンチンの小さな町に桜2020本 寄贈と植樹に謝恩会 外交樹立125周年で「冬まつり」も


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 ブエノスアイレス市南方の小さな町チャスコムスで7月30日、日系社会による桜2020本の寄贈と植樹に対する謝恩会が行われた。桜の植樹は2016年に始まり20年に終了予定だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響でチャスコムス市主催の謝恩会は遅れて開催されることになった。植樹の規模はワシントンD.C.の、ポトマック川の桜に匹敵する。

桜の木の前で記念撮影をする関係者ら

 今年は日本とアルゼンチンが外交関係を樹立して125周年で、友好親善の一環として「さくら冬まつり」も開催した。ハビエル・ガストン市長、移民桜の会の山城弘美会長らが参加した。山城さんのあいさつと感謝の言葉の中で、植樹が行われた理由と経緯を説明した。山城さんが釣りの際に桜を見かけたことが植樹のきっかけになったという。ガストン市長は山城さん一行が今後ともチャスコムスで釣りを続けるよう呼びかけた。日本との長年の関係についても語り、日本大使館からの給水車や、皇室訪問の際に医療機器を寄贈したことにも言及した。

 公園では盆栽や日本画の展示や公開授業が行われ、沖縄の伝統音楽も披露された。地元のグループなどによる合気道、空手、柔道の公開授業も行われた。山城さんは孫のことにも思いをはせたという。桜の木の満開時にチャスコムスまで足を運んでくれることを願い、桜の花が咲く時期になると祖父母のことは絶対に忘れないと確信して、桜の会を結成したという。
(大城リカルド通信員)