太鼓に合わせ「エーヘーホーイ」 安田のシヌグ、4年ぶり実施「忘れず継承を」 沖縄県・国頭村


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この記事を書いた人 琉球新報社
太鼓のリズムやかけ声とともに集落へ向かう男性ら=21日、国頭村安田

 【国頭】国の重要無形民俗文化財に指定されている国頭村安田区の伝統祭事「シヌグ」が21日から同区で始まった。新型コロナの影響で開催は4年ぶり。今年は「ウフ(大)シヌグ」の年で、初日は男性が山に入って一日神になり、住民らの邪気を払う「ヤマヌブイ(山登り)」が行われた。

 安田のシヌグは無病息災や五穀豊穣を願う行事で、旧暦7月の最初の亥の日から2日間行われる。ウフシヌグと「シヌグンクヮー(小)」を1年交代で開くが、新型コロナの感染が広がった2020年以降は規模を縮小し、区民ら数人による御願行事のみ行ってきた。

 男性らは草花やわらを身につけて三つの山に分かれて入り一日神となると、午後1時前に下山を始めた。太鼓のリズムに合わせ、厄や悪霊を集めて退散させる意味を込めた「エーヘーホーイ」の掛け声とともに集落を練り歩き、最後は集落で集めた厄を地域の海で落とした。

 住民からの誘いで群馬県から初参加した金井良平さん(46)は「自然や神と一体化する感じがして心が洗われた」と汗を拭った。安田区の上地哲区長は「4年ぶりの開催で忘れていることもあった。なんとか継承していくことが大事だ」と強調した。
 (武井悠)