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熱闘 バスケW杯OKINAWA 出場チーム紹介(8) ミルズがけん引 オーストラリア


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
W杯優勝候補のオーストラリアをけん引するパティ・ミルズ(FIBA提供)

 今回のFIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)の優勝候補に挙げられているのが2022年の東京五輪で銅メダルを獲得したオーストラリアだ。日本と同じグループEに入る難敵だ。

 オーストラリアのアウトサイドプレーヤーはゲームをつくる能力が高いのに対して、インサイプレーヤーはリバウンドを取ることに徹底するのが特徴だ。選手一人一人が自身の役割を理解し、献身的に動くことができるという絵に描いたような理想的なチームだ。

 今大会のオーストラリアのメンバーには、Bリーグ・島根スサノオマジックで活躍するニック・ケイも選出されており、非常に手ごわい相手だということが身に染みて分かる。

 優勝を見据えて戦う強豪オーストラリアを引っ張るのは、昨年、NBAで日本代表の渡邊雄太(サンズ)ともチームメートだったパティ・ミルズ(ホークス)だ。ミルズは、隙あらばドライブをする攻撃的ポイントガードだ。特にナショナルチームの一員として戦うミルズの活躍は目覚ましい。前回19年のW杯では、平均フィールドゴール確率49・6%と驚異的な数字を残している。キャプテンであるミルズのゴールへの果敢さが、オーストラリアの優勝の大事なピースとなるだろう。

 W杯初参加の超新星もオーストラリアには存在する。それが若干20歳のガード、ジョシュ・ギディー(サンダー)だ。ギディーの視野と創造性を生かしたパスセンスは、20歳とは思えない落ち着きがある。ギディーは、NBAの1試合で無得点ながら10リバウンド、10アシストという得点なしの「ダブルダブル」という珍しい記録を残し、逸材の一面も見せた。新戦力の加入でガードのメンバーに厚みが増したオーストラリアは、優勝へ大きな一歩を踏み出した。

(沖縄バスケット情報誌「アウトナンバー」ライター・星川圭央二)