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4年ぶり制限なし開催 声援が後押し、県勢躍動 4競技で全国トップ射止める 女子重量挙げ・比嘉、なぎなた団体・首里の連覇も


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 北海道を舞台に開催された全国高校総合体育大会「翔び立て若き翼 北海道総体 2023」は21日、バドミントン競技で全ての日程を終え、閉幕した。県勢は26競技28種目に約400人が出場した。大会は北海道札幌市を主会場に山形、栃木、和歌山の各県でも競技が行われた。4年ぶりに観覧や声出し応援の制限がなく、熱い声援が選手たちを後押しした。沖縄代表の誇りを胸に全国へ挑んだチームや選手が、なぎなた、重量挙げ、陸上短距離、テニス個人戦で全国一を射止めるなど躍動した。今大会の県勢の活躍を振り返る。

重量挙げ女子59キロ級 スナッチで94キロを成功させ、ジュニア日本新記録と高校新記録を樹立する本部の比嘉成=13日、士別市総合体育館

比嘉(本部)女子重量挙げ連覇 石川(嘉手納)男子重量挙げ準V

■三つの日高新

重量挙げ男子96キロ級 ジャークで142キロを成功させる嘉手納の石川太陽=14日、士別市総合体育館(大城直也撮影)

 重量挙げの女子59キロ級で比嘉成(本部3年)がスナッチ94キロ、ジャーク107キロ、トータル201キロで優勝し、2連覇を達成した。スナッチ、ジャークとトータルの全てで日本高校新記録(日高新)、スナッチは日本ジュニア記録も更新するなど圧巻の強さを見せつけた。目標だった三つ同時の日高新とトータル200キロの大台をつかみ取った。高校生の間にどれだけ記録を伸ばせるかも楽しみだ。

 重量挙げでは他にも、男子96キロ級の石川太陽(嘉手納2年)が準優勝、男子55キロ級の中村稀勇(名護3年)が3位で表彰台に上った。入賞は61キロ級の並里久仙(糸満3年)が4位、女子64キロ級の山里美月(嘉手納3年)が6位、男子102キロの山城慎太郎(沖縄工2年)が7位に入った。今回が最後の全国総体となる3年生だけでなく、2年生には石川、山城、入賞にはわずかに届かなかった女子49キロ級大村朱音(沖縄工)もおり、来年の全国総体での活躍も期待できる。

首里 なぎなた団体連覇 泉水・平安名は 演技制す

■“お家芸”連覇

なぎなた団体試合を連覇し、演技でも優勝、準優勝を果たした首里の(前列左から)富川亜紀、平安名はな、泉水ほのか、大木ろまん、栄野川美羽、(後列左から)城間こころ、具志堅茉緒、栄野川里美監督ら=7日、千歳市開基記念総合武道館

 “お家芸”のなぎなたで首里が大活躍した。2連覇のプレッシャーがかかる団体試合(泉水ほのか、城間こころ、平安名はな、富川亜紀、栄野川美羽、大木ろまん、具志堅茉緒)では、昨年の優勝を経験したメンバーが残り、持ち前の団結力と「みんながエース」を合言葉に同校2度目の連覇をつかんだ。個人試合は富川がベスト8に入った。演技では決勝で首里同士の対決となり、泉水・平安名ペアが優勝、栄野川・城間ペアが準優勝となった。試合ではすでに全国の頂点に立っていた首里が、演技で初めての優勝を飾った。今回の団体試合の優勝メンバーは3年生が中心で実際に試合をした2年生は栄野川のみ。来年は3連覇に期待してしまうが、新たなチーム作りが急務となるだろう。

陸上男子400メートルで優勝し、カメラを前に笑顔を見せるコザの平川慧=2日、札幌市厚別公園競技場

平川(コザ)男子400メートル初優勝

■県勢男子初、短距離V

 陸上男子400メートル決勝で平川慧(コザ3年)が出場者のうち唯一の46秒台となる46秒63で圧勝した。短距離種目(100メートル、200メートル、400メートル)で県勢男子初となる全国総体優勝だった。平川は200メートルにも出場し、目標としていた県高校記録の21秒02を切ることはできなかったが21秒19で6位入賞した。陸上では他にも男子やり投げで宮國航(沖縄尚学3年)が8位となった。

水口・新城(沖尚)テニス女子複V

■個人種目、続々入賞

 テニスの女子個人ダブルスで水口由貴・新城英万(沖縄尚学)が2017年以来、6年ぶりの優勝をつかんだ。2人は勝ち抜くごとにショットを洗練させていき、ミスの少ない高い精度を保った。後方のストローク勝負で根負けせず、前後左右の動きで互いに入れ替わっても柔軟に対応し全国最強ペアとなった。沖縄尚学女子は団体で8強入りした。

テニス女子ダブルス決勝 持ち前の強打でレシーブする沖縄尚学の水口由貴(前)と新城英万=7日、苫小牧市緑ケ丘公園庭球場

 ボクシングはライトウエルター級の川端響也(名護商工3年)が準決勝で敗れたが、堂々の3位に輝いた。県勢の4強入りは2015年以来8年ぶり。強打を武器に後ろに引くことなく、じわりじわりと間合いを詰めていくスタイルで勝利を積み重ねた。

 柔道女子個人63キロ級の島袋芽子(沖縄尚学3年)は3位。チームの主将も務め、全試合を通して受けの技術の強さが光った。

 弓道の女子個人で伊佐優衣香(興南2年)も3位。身長149センチと小柄ながら、力強くぶれずに弓を引く安定感が光った。決勝は各自1本ずつを射て、外した選手が抜けていく方式。6射連続で的中させ、最後の3人まで残った。

 相撲個人100キロ級の山城咲武斗(中部農林)も3位に入った。

 沖縄で唯一の飛び込み選手である津覇すみれ(首里2年)が女子飛び板飛び込みで7位入賞を果たした。県勢の飛び込み競技での入賞は1991年の永山絵理(興南)以来とみられる。幼少期から指導する中野徳広コーチと共に練習を重ねて、入賞をつかみ取った。

 (北海道総体取材班=大城三太、屋嘉部長将、安里洋輔、石井恵理菜、ジャン松元、大城直也)