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PFAS、PCB…基地問題の解決を 「渉外知事会」が国に要請 財政措置の拡充も求める


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吉川ゆうみ外務政務官(中央)に要望書を手渡す渉外知事会会長の黒岩祐治神奈川県知事(左から2人目)、副会長の玉城デニー沖縄県知事(左端)ら=23日、外務省

 【東京】米軍施設を抱える15都道府県でつくる「渉外知事会」会長の黒岩祐治神奈川県知事、副会長の玉城デニー知事らは23日、防衛省や外務省を訪ね、基地問題の解決を要請した。1月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で在沖米軍の態勢強化などが打ち出されて負担が増す可能性があることなどを強調し、負担軽減のための財政措置拡充を要請した。

 米軍基地周辺で有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題については過去の汚染を確かめるための立ち入り調査実施や結果の早期公表、国外の動向に留意することなどを求めた。米軍基地に未処分のポリ塩化ビフェニール(PCB)が残されている問題に関しては米国政府の責任で保管・処理し、国外への搬出に当たっては安全確保に努めるよう要請した。

 要請前の総会であいさつした玉城知事は基地負担に関する県内の状況を列挙する中で「昨年閣議決定された安全保障関連3文書で示された南西地域における防衛体制の強化」と自衛隊の増強についても言及した。「安全保障に関する負担は本来、国民全体で担うべきものだ」と指摘した。

 この点について、黒岩知事は要請活動後、報道陣の取材に応じ「安全保障環境が厳しくなっているから米軍や自衛隊の存在感が増して(負担が増えることについて)しょうがないというわけにはいかない」と話した。
 (明真南斗)