物流業の沖縄トータルロジスティクス(うるま市)の敷地内に設置された小型の「レンズ風車」が、台風6号の影響による1日の最大風速35・3メートルの環境下でも発電を続け、満充電時には自動制御で回転を止め稼働を維持した。同社の森田幸二郎社長は「停電への備えとしても有効であることが実証できた。自治体向けにもアピールしたい」と話した。
同社が試験的に台風時の性能を調べた。一般の電力系統に接続しておらず、満充電になると自動制御で発電を止めたが、羽根の回転数や発電機の温度などは上限値を超えず異常はなかった。
レンズ風車は九州大学発スタートアップのリアムウィンド(福岡市)が開発。1台(3キロワット)で、蓄電池と組み合わせて4人家族の年間消費量(5500キロワット時)を賄うことができる。備蓄に限りがあるディーゼルや夜間起動できない太陽光に比べ、風力は昼夜発電を続けられる利点がある。
沖縄トータルロジスティクスが県内唯一の総代理店となり、おきなわフィナンシャルグループ(OFG)の地域商社みらいおきなわが販売を支援している。OFGが包括連携協定を締結している離島町村などへ導入を呼びかける。
(當山幸都)