「稼ぐ力」の強化へ、官民・労使一体で共同宣言 適切な価格転嫁と賃金引き上げの好循環を推進 県内16団体で表明


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
適切な価格転嫁で賃上げにつなげ経済の好循環を目指す共同宣言を発表する県や経済団体、労働組合、金融機関など16団体の関係者=25日、県庁

 長期化する資源高や人手不足が経営課題となる中、成長と分配の好循環をつくり出そうと、県と国、各経済団体、金融機関、連合沖縄など16団体は25日、適切な価格転嫁と賃上げの推進を図り、地域経済の活性化を目指すとした共同宣言を発表した。所得向上へ企業の「稼ぐ力」の強化を目的に官民一体で宣言を発信するのは初めて。

 県内事業者が課題に対応できるよう各機関が支援策や情報を共有し周知することや、「県所得向上応援企業認証制度」による認証企業の拡大に取り組むなど、五つの実施項目に同意した。

 労務費や原材料費、燃料費などの上昇分を企業間取引で適切に価格転嫁することについて機運を高めるとともに、中小企業を含め賃金の引き上げを推進することで県経済の好循環を構築し、県経済の活性化につなげる。

適切な価格転嫁で賃上げにつなげ経済の好循環を目指す共同宣言に同意する県や経済団体、労働組合、金融機関など16団体の関係者=25日、県庁

 県商工会議所連合会の石嶺伝一郎会長は「有意義な取り組みで、一丸となって取り組む点も大変重要だ。消費者である県民一人一人の理解も不可欠である。経済活性化に向けしっかり取り組んでいきたい」と語った。

 連合沖縄の仲宗根哲会長は「一致団結して行うことが非常に大事だと感じている。最低賃金は全国比較でまだ少し置いていかれてるが、一つ一つやっていくことが大事だ」と今後の進展を期待した。

 玉城デニー知事は「実質賃金を長期的に上昇させるため、適切な価格転嫁で利益を確保し、成果を労働者の分配につなげ未来への投資が生み出されることが重要だと考えている。機運を全県的に広げ経済発展につなげたい」と話した。
 (謝花史哲)