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慶良間太鼓、迫力の演舞 2年越しの35周年公演 力強い音色で600人魅了 沖縄


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迫力の演舞を見せる慶良間太鼓同志会=19日、浦添市てだこホール(新垣徹さん提供)

 【浦添・渡嘉敷】渡嘉敷村の創作和琉太鼓集団「慶良間太鼓同志会」による、慶良間太鼓結成35周年記念自主公演「原点回帰・鯨海峡からの鼓動~初心にかえり更なる未来へ~」(主催・慶良間太鼓同志会、特別協賛・有限会社渡嘉敷石油)が19日、浦添市てだこホールで開かれた。

 2021年に35周年を迎えたが、コロナ禍で2年越しの公演となった。村内外の同志会メンバー30人余が、35年の月日をかけて培った太鼓の技を発揮し迫力の演舞を見せ、600人余の来場者を魅了した。フラ神奈川、フラ渡嘉敷島などのメンバーらが友情出演して盛り上げた。

 慶良間太鼓は1986年に当時26歳だった村の新垣徹さん(62)ら島の青年会有志が「島の新しい文化を起こそう」との思いで発足させ、翌87年の第1回渡嘉敷村祭りで披露されて以降、島内外の各種イベントなどへの出演やボランティアでの太鼓指導、演舞披露など活発に活動を続けている。発足当初は数人のメンバーで古タイヤをたたいて練習を重ね、和太鼓を購入して本格的に活動に取り組んできた。

 照明、音響による幻想的な演出空間の中、島の海をイメージした創作演目の「夜明け」「波風」「嵐」「豊漁」などを少人数から30人の大人数まで、力強い太鼓の音色を響かせた。

 新里武広村長も訪れ「島の新たな文化の創造と継承、さまざまな活動に敬意を表し、同会がさらなる高みへ飛翔することを祈念します」とあいさつした。

 発足メンバーで同志会顧問の新垣さんは「コロナ禍で公演が2年延期になった。50~100年先まで残る芸能を目指して活動してきて、少しずつ目標に近付いてきた。今回のテーマは“原点回帰”で、初心に返りさらなる未来を目指していく」と先を見据えた。
 (米田英明通信員)